「脳卒中は高齢者の病気だから、まだ自分には関係ない」
そう思っていませんか?
脳卒中は、年齢だけで起こる病気ではありません。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足など、さまざまな危険因子が発症リスクに関係しています。
もちろん、脳卒中は生活習慣だけで決まるものではありません。年齢や遺伝的要因、持病など、自分では変えられない要因もあります。
だからこそ大切なのが、
「自分で変えられる危険因子を、一つずつ減らしていくこと」
です。
この記事では、健康寿命を守るために知っておきたい脳卒中の基礎知識と、今日から見直したい生活習慣について分かりやすく解説します。
「脳卒中の発症」が健康寿命に与える影響
今回の「健康寿命を縮める生活習慣」ランキングでは、「脳卒中の発症」を1位に位置づけています。
ただし、厳密にいうと、
脳卒中の発症そのものは「生活習慣」ではありません。
脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳の機能が突然障害される病気です。
代表的なものには、
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
があります。
脳卒中は命に関わることがあるだけでなく、発症した部位や重症度によっては、手足の麻痺、言語障害、嚥下障害などの後遺症が残ることがあります。
そのため、発症後の生活や介護などに大きな影響を及ぼす可能性があります。
つまり今回の記事では、
「脳卒中の発症」=健康寿命を大きく損なう可能性がある重大な健康リスク
として扱います。
そして、予防を考えるときには、
「脳卒中そのもの」ではなく、「脳卒中につながる危険因子を減らす」
という考え方が重要です。
脳卒中予防で最も意識したい「血圧」
脳卒中予防について考えるなら、まず確認したいのが血圧です。
高血圧は脳卒中の重要な危険因子です。
高血圧が続くと血管に負担がかかり、脳卒中の発症リスクと関係します。
しかし、高血圧は自覚症状がない場合もあります。
「特に具合が悪くないから大丈夫」
とは限りません。
健康診断や家庭での血圧測定などを利用して、自分の血圧を確認する習慣をつけましょう。
すでに高血圧を指摘されている場合は、自己判断で放置せず、医療機関に相談することが大切です。
今日から見直したい脳卒中予防の生活習慣7選
1位 塩分の摂りすぎを減らす
脳卒中予防のために、まず見直したいのが塩分です。
塩分の摂りすぎは血圧上昇につながることがあり、高血圧を介して脳卒中リスクに関係します。
特に注意したいのが、
- ラーメンやうどんの汁
- インスタント食品
- 漬物
- 塩辛
- 加工食品
- 惣菜
- 濃い味付け
- 調味料の使いすぎ
などです。
全部を禁止する必要はありません。
例えば、
「ラーメンの汁を全部飲まない」
「醤油やソースをかけすぎない」
「薄味に少しずつ慣れる」
といった小さな工夫から始めてみましょう。
減塩は血圧管理のためにも重要な生活習慣です。
2位 血圧を放置しない
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれることがあるほど、自覚症状が乏しい場合があります。
そのため、
「症状がないから測らなくてもいい」
とは考えないことが大切です。
健康診断を受けるだけでなく、必要に応じて家庭でも血圧を確認しましょう。
もし血圧について医療機関から指摘を受けた場合には、
「まだ元気だから」
と放置せず、医師の指示に従って管理することが大切です。
また、血圧の薬を服用している人は、自己判断で中止しないようにしましょう。
3位 運動不足を減らす
運動不足も見直したい生活習慣の一つです。
定期的な身体活動は、血圧や体重など、脳卒中の危険因子に関係する健康状態の改善に役立つ可能性があります。
とはいえ、最初から激しい運動をする必要はありません。
例えば、
- 少し遠くの場所まで歩く
- 階段を使う
- 買い物のときに歩く
- 軽い体操をする
- 長時間座り続けない
- 散歩の時間をつくる
など、日常生活の中で体を動かす時間を増やしてみましょう。
「毎日1時間運動しなければいけない」と考えて挫折するより、
「昨日より少し多く動く」
という考え方のほうが続けやすいでしょう。
4位 体重を適切に管理する
体重についても意識しておきたいポイントです。
特に肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など、脳卒中に関係する複数の危険因子と関連します。
ただし、
「体重は少なければ少ないほど健康」という意味ではありません。
極端な食事制限をしたり、短期間で急激に体重を落としたりすることを目指すのではなく、バランスのよい食事と身体活動を組み合わせながら、適切な体重を維持することを考えましょう。
5位 喫煙を避ける
喫煙は脳卒中の重要な危険因子の一つです。
「少ししか吸わないから大丈夫」
「長年吸っているから今さらやめても意味がない」
と考えるのではなく、禁煙を検討しましょう。
自分自身が喫煙していない場合でも、受動喫煙をできるだけ避けることも大切です。
禁煙が難しい場合は、医療機関の禁煙外来など、専門家のサポートを利用する方法もあります。
6位 飲酒量を見直す
飲酒についても注意が必要です。
特に過度な飲酒は、脳卒中のリスクに関係します。
「毎日飲むことが習慣になっている」
「仕事が終わると必ず飲む」
という人は、一度、自分の飲酒量や飲酒頻度を確認してみましょう。
飲酒量を減らすことが難しい場合には、専門家に相談する方法もあります。
なお、
「少量なら誰にとっても健康に良い」
と単純に考えるのは適切ではありません。
健康のために飲酒を始めることは勧められません。
7位 糖尿病・脂質異常症などを放置しない
脳卒中予防では、日々の生活習慣だけでなく、すでに指摘されている病気や健康状態を適切に管理することも重要です。
例えば、
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 心房細動
- 慢性腎臓病
- 肥満
などがあります。
健康診断で異常を指摘されたにもかかわらず、
「症状がないから大丈夫」
と放置するのは避けましょう。
また、治療中の人は、
薬を自己判断で中止したり、量を変更したりしないこと
も重要です。
治療について疑問がある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
「健康診断を受ける」ことも脳卒中予防につながる
生活習慣を改善するだけでなく、
自分の健康状態を知ること
も大切です。
健康診断では、
- 血圧
- 血糖
- 脂質
- 体重
- 腹囲
などを確認できます。
異常が見つかった場合には、生活習慣を見直すきっかけになります。
特に、
「以前から血圧が高い」
「血糖値が高いと言われた」
「コレステロールが高い」
といった人は、そのまま放置しないことが大切です。
脳卒中は「突然」起こることがある
脳卒中予防と同じくらい大切なのが、
「発症したときに早く気づくこと」
です。
脳卒中では、突然、
- 顔の片側がゆがむ
- 片方の腕に力が入らない
- ろれつが回らない
- 言葉が出ない
- 立てない、歩けない
- 視野がおかしくなる
- 激しい頭痛が起こる
などの症状が現れることがあります。
代表的な確認方法として、
FAST
があります。
F=Face(顔)
笑ったときに顔の片側が下がっていないか。
A=Arm(腕)
両腕を上げたとき、片方の腕が下がってこないか。
S=Speech(言葉)
ろれつが回らない、言葉が出ないなどの異常がないか。
T=Time(時間)
異常があれば、発症時刻を確認して、すぐ救急車を呼ぶ。
脳卒中が疑われる場合は、
「少し様子を見よう」
と待たず、緊急対応を優先してください。
一度症状が治まっても注意
症状が短時間で治まったとしても、安心できるとは限りません。
一過性脳虚血発作(TIA)など、脳卒中につながる可能性がある状態もあります。
突然、
「片方の手足に力が入らない」
「言葉が出ない」
「片目が見えにくくなる」
などの症状があった場合は、症状が治まったからといって自己判断で放置せず、医療機関に相談してください。
脳卒中は「生活習慣だけ」の問題ではない
ここは、この記事で特に覚えておいてほしいポイントです。
脳卒中には、
- 年齢
- 遺伝的要因
- 持病
- 血管の状態
- 生活習慣
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、
「健康的な生活をしていれば、脳卒中には絶対にならない」
ということではありません。
逆に、
「今まで生活習慣が悪かったから、もう手遅れ」
ということでもありません。
大切なのは、
今から変えられるところを少しずつ変えていくこと。
そして、健康診断などで異常を指摘されたら、早めに対処することです。
今日からできる脳卒中予防チェック
最後に、自分の生活習慣をチェックしてみましょう。
□ 血圧を定期的に確認している
□ 塩分を摂りすぎないようにしている
□ ラーメンやうどんの汁を全部飲まない
□ 野菜や果物を含むバランスのよい食事を心がけている
□ 運動不足にならないように体を動かしている
□ 体重を適切に管理している
□ 喫煙していない
□ 受動喫煙をできるだけ避けている
□ 飲酒量を見直している
□ 健康診断を受けている
□ 健康診断で異常を指摘されたら放置していない
□ 医師から処方された薬を自己判断で中止していない
一つでも「できていない」と感じる項目があれば、
そこが今日から変えられるポイントです。
まとめ|健康寿命を守るために「血管を大切にする生活」を
脳卒中は、生活習慣そのものではありません。
しかし、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足など、生活習慣や健康状態に関係するさまざまな危険因子があります。
だからこそ、
「脳卒中を完全に防ぐ」
と考えるのではなく、
「脳卒中につながる危険因子を一つずつ減らす」
という考え方が大切です。
まずは、
血圧を確認する。
塩分を少し減らす。
体を動かす。
健康診断を受ける。
この中から、一つだけでも始めてみましょう。
将来の健康は、今日の小さな選択の積み重ねによってつくられていきます。
そして、もし突然、顔や腕の麻痺、言葉の異常などが現れた場合は、生活習慣の改善よりも一刻も早く救急対応を受けることを優先してください。
※この記事は、脳卒中予防に関する一般的な健康情報を提供するもので、個別の診断や治療を行うものではありません。健康診断で異常を指摘されている方、治療中の方、症状がある方は、自己判断せず医療機関に相談してください。
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