- 「糖尿病って、そんなに怖い病気なの?」
- 27位:糖尿病の発症・悪化の仕組み
- 28位:「高血糖の慢性化」が血管に与えるダメージ
- 29位:「インスリン抵抗性」とは?なぜインスリンが効きにくくなるのか
- 32位:糖尿病性神経障害とは?
- 37位:初期に出やすい「しびれ・痛み」の症状
- 感覚が麻痺することの怖さ
- 31位:糖尿病網膜症とは?
- 30位:糖尿病性腎症とは?
- 血糖関連
- 腎臓関連
- 目
- 神経
- 足
- 動脈硬化関連
- 1.健康診断を放置しない
- 2.HbA1cを確認する
- 3.食事を極端に変えない
- 4.体を動かす
- 5.体重を確認する
- 6.血圧も確認する
- 7.目を定期的に検査する
- 8.足を見る
- 9.薬を自己判断で中断しない
- 10.「症状がないから大丈夫」をやめる
- 糖尿病に関するよくある質問(FAQ)
- 参考情報
「糖尿病って、そんなに怖い病気なの?」
「血糖値が少し高いだけでしょう?」
「今は特に痛くないから大丈夫」
「健康診断で糖尿病を指摘されたけれど、仕事が忙しくて病院に行っていない」
もし、このように考えているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
糖尿病の怖さは、単に「血糖値が高くなること」だけではありません。
本当に注意したいのは、高血糖の状態が長く続くことで、目・腎臓・神経など全身の血管や組織にダメージが蓄積していくことです。
日本糖尿病学会も、糖尿病の慢性合併症として、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を「三大合併症」として説明しています。さらに、糖尿病では動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中、足病変、感染症などにも注意が必要です。
しかも厄介なのが、初期にはほとんど自覚症状がないケースがあることです。
たとえば目の病気。
糖尿病網膜症は初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行することがあります。進行すると視力低下や視野異常などが起こり、放置すれば失明に至ることもあります。
腎臓も同じです。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることがあるように、機能が低下しても初期にははっきりした症状が出にくいことがあります。
神経についても、最初は「足が少しピリピリする」「正座した後のような感じがする」という程度だったものが、進行すると感覚が鈍くなり、傷ややけどに気づきにくくなることがあります。日本糖尿病学会も、神経障害が進むと足の傷への気づきが遅れ、足潰瘍や壊疽、場合によっては切断につながることがあると説明しています。
つまり糖尿病は、
「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くない間にも進む可能性がある」ことが怖い病気
なのです。
この記事では、糖尿病の何が怖いのかを、
- 高血糖がなぜ全身を傷つけるのか
- インスリン抵抗性とは何なのか
- 三大合併症とは何か
- なぜ糖尿病で失明することがあるのか
- なぜ足の傷が治りにくくなるのか
- なぜ足切断につながることがあるのか
- なぜ感染症に注意が必要なのか
- どのような症状が出たら受診を考えるべきなのか
- 合併症を防ぐために何ができるのか
という順番で、できるだけ難しい言葉を使わずに解説します。
なぜ糖尿病は恐ろしいのか?進行のメカニズム
27位:糖尿病の発症・悪化の仕組み
まず、糖尿病を簡単に説明しましょう。
食事をすると、炭水化物などからブドウ糖が作られ、血液中に入ります。
血液中のブドウ糖が増えると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンには、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪などの細胞に取り込ませる働きがあります。
イメージするなら、インスリンは細胞のドアを開ける鍵のようなものです。
血液の中にブドウ糖がたくさんあっても、インスリンが働けば、細胞へ取り込まれてエネルギーとして利用されます。
ところが、
- インスリンの分泌が少なくなる
- インスリンが効きにくくなる
- その両方が起こる
などの状態になると、血液中のブドウ糖が処理しきれなくなります。
その結果、血糖値が高い状態が続きます。
日本糖尿病学会によると、糖尿病はインスリンの作用が十分でないためにブドウ糖が有効に使われず、血糖値が高くなる状態を基本とする病気です。2型糖尿病では、インスリン分泌の低下とインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」の両方が関係することがあります。
ここで重要なのは、
血糖値が一度高くなったことよりも、高い状態が長く続くこと
です。
たとえば道路に水を流すことを想像してください。
一時的に大量の水が流れても、道路がすぐに壊れるとは限りません。
しかし、長期間にわたって水が流れ続ければ、少しずつ路面が傷み、ひび割れが増え、やがて大きな損傷につながることがあります。
糖尿病も似ています。
高血糖が長く続くと、血管や神経などにさまざまな影響が積み重なります。
だからこそ、糖尿病では「今、痛くない」ということだけで安心してはいけないのです。
28位:「高血糖の慢性化」が血管に与えるダメージ
糖尿病の本当の怖さを理解するために、ぜひ覚えておきたい言葉があります。
それが、
慢性的な高血糖
です。
「慢性的」とは、簡単に言えば「長く続いている」という意味です。
血糖値が高い状態が何度も繰り返され、さらに長期間続くと、体の中ではさまざまな変化が起こります。
特に重要なのが血管です。
私たちの体には、全身に血管が張り巡らされています。
脳にもあります。
目にもあります。
腎臓にもあります。
心臓にもあります。
手足にもあります。
つまり血管が傷つけば、全身のさまざまな臓器に影響する可能性があります。
糖尿病の三大合併症である、
- 網膜症
- 腎症
- 神経障害
も、細い血管が多く存在する組織が高血糖の影響を受けることと深く関係しています。日本糖尿病学会は、これらを糖尿病に特徴的な細小血管合併症として説明しています。
「血管の問題」が「目の問題」になる
一見すると、
「血糖値が高いことと失明に何の関係があるの?」
と思うかもしれません。
しかし、目の奥にある網膜には、非常に細い血管がたくさん走っています。
長期間の高血糖によって、その血管が障害されると、血液が漏れたり、血流が悪くなったり、酸素が不足したりすることがあります。
これが糖尿病網膜症につながります。
「血管の問題」が「腎臓の問題」になる
腎臓にも細かな血管が集まっています。
腎臓は血液をろ過して、体に不要なものを尿として排出する重要な臓器です。
ところが、糖尿病による血管へのダメージが積み重なると、腎臓の働きにも影響が及ぶことがあります。
そして腎機能が大きく低下すると、透析などの腎代替療法が必要になることがあります。
日本透析医学会では、糖尿病性腎症の病期分類が設けられており、糖尿病性腎症は現在も透析医療において重要な疾患の一つです。
「血管の問題」が「神経の問題」になる
神経にも血液が必要です。
神経そのものだけでなく、神経の周囲にある細い血管が障害されることで、神経の働きが悪くなることがあります。
その結果、
- 足のしびれ
- ピリピリする感じ
- 足の裏の違和感
- 痛み
- 感覚低下
などが起こることがあります。
つまり、
高血糖 → 血管などへのダメージ → 臓器や神経への影響
という流れが、糖尿病の怖さを理解するうえで重要です。
29位:「インスリン抵抗性」とは?なぜインスリンが効きにくくなるのか
「インスリン抵抗性」という言葉を聞くと、難しく感じるかもしれません。
でも、イメージはそれほど難しくありません。
先ほど、インスリンを「鍵」に例えました。
健康な状態では、
インスリンという鍵 → 細胞のドアが開く → ブドウ糖が細胞に入る
という流れがスムーズに進みます。
ところがインスリン抵抗性がある状態では、
鍵はあるのに、ドアが開きにくい
ような状態になります。
インスリンが分泌されていても、体の組織がその作用を十分に受け取りにくくなるのです。
日本糖尿病学会の糖尿病診断基準でも、2型糖尿病にはインスリン分泌低下とインスリン感受性の低下、つまりインスリン抵抗性が関係すると説明されています。
なぜインスリン抵抗性が問題なのか
インスリンが効きにくくなると、血液中のブドウ糖を細胞へ取り込みにくくなります。
すると血糖値が上がりやすくなります。
体はそれを何とかしようとして、より多くのインスリンを分泌することがあります。
しかし、その状態が長く続けば、膵臓にも負担がかかります。
もちろん、糖尿病の発症にはさまざまな要因があり、単純に「食べすぎたから糖尿病になった」と考えるのは適切ではありません。
遺伝的な要素、年齢、体重、運動不足、食事、内臓脂肪など、多くの要因が複雑に関係します。
そのため、
「糖尿病は自己管理ができない人だけがなる病気」
と考えるのも間違いです。
大切なのは、自分を責めることではありません。
健康診断などで異常を指摘されたら、
「今のうちに確認しておこう」
と考えることです。
【図解】自覚症状がないまま進む「サイレントキラー」の危険性
糖尿病を怖い病気として紹介するとき、「サイレントキラー」という言葉が使われることがあります。
これは、初期には目立った症状がなくても、長期間にわたって体へ影響を与えることがあるためです。
もちろん、糖尿病が必ず無症状というわけではありません。
血糖値が高くなると、
- のどが渇く
- 水をたくさん飲む
- 尿が増える
- 体重が減る
- 疲れやすい
- だるい
などの症状が出ることがあります。
日本糖尿病学会も、急激に状態が悪化した場合には口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感などが現れることを説明しています。
しかし、糖尿病の合併症については、初期段階で自覚症状が乏しい場合があります。
これが問題です。
糖尿病の進行イメージ
血糖値が高くなる
↓
高血糖が長期間続く
↓
血管・神経などに負担が積み重なる
↓
自覚症状が少ない時期
↓
目・腎臓・神経などに変化
↓
症状が現れる
↓
日常生活に影響
↓
重症化すると視力障害・腎機能低下・足病変などにつながる可能性
ここで注意したいのは、
「症状がない=病気が進んでいない」ではない
ということです。
だからこそ、健康診断や血液検査、尿検査、眼科での検査などが重要になります。
日常生活を奪う「糖尿病の三大合併症」とは?
糖尿病の三大合併症は、
- 糖尿病性神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病性腎症
です。
日本糖尿病学会も、糖尿病に特徴的な細小血管合併症として、この3つを挙げています。
ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.糖尿病性神経障害
32位:糖尿病性神経障害とは?
糖尿病性神経障害は、糖尿病の代表的な合併症の一つです。
神経は、簡単に言えば体中に張り巡らされた「情報ネットワーク」です。
たとえば、
「熱い」
「痛い」
「冷たい」
「触った」
という情報を脳に伝えています。
ところが神経が障害されると、この情報がうまく伝わらなくなることがあります。
日本糖尿病学会によると、糖尿病性神経障害には、手足の感覚などを担う末梢神経障害だけでなく、胃腸や心臓などの働きを調節する自律神経障害などもあります。
つまり、
「糖尿病性神経障害=足がしびれるだけ」
ではありません。
全身にさまざまな症状が出る可能性があります。
37位:初期に出やすい「しびれ・痛み」の症状
糖尿病性神経障害では、初期に、
- 足の裏が変な感じがする
- ピリピリする
- ジンジンする
- 正座した後のようなしびれがある
- 足がほてる
- 足が冷たいように感じる
- 刺すような痛みがある
などの症状が現れることがあります。
日本糖尿病学会も、足の裏に紙を貼ったような違和感、正座の後のようなしびれ、冷感、ほてり、痛みなどを症状として挙げています。
ここで怖いのが、
「痛くなる」だけではなく、「痛みを感じなくなる」こともある
という点です。
感覚が麻痺することの怖さ
少し想像してみてください。
料理中に指を切ったとします。
普通なら、
「痛い!」
と感じるので、傷を確認して手当てします。
ところが、足の感覚が鈍くなっているとどうでしょう。
靴ずれができても気づかない。
小石が靴の中に入っていても気づかない。
やけどをしても気づかない。
傷ができても痛くない。
これが糖尿病性神経障害の怖さです。
日本糖尿病学会は、感覚が麻痺すると、やけどや傷の痛みを感じなくなり、傷への気づきや手当てが遅れることがあり、その結果として足潰瘍や壊疽、切断まで進む場合があると説明しています。
つまり、
痛みがないことが、必ずしも良いことではありません。
場合によっては、
「痛くないから放置する」ことが危険
なのです。
自律神経障害にも注意
糖尿病性神経障害は、手足の神経だけに起こるわけではありません。
自律神経が障害されると、
- 胃もたれ
- 便秘
- 下痢
- 立ちくらみ
- 発汗の異常
- 性機能の問題
などが起こることがあります。
日本糖尿病学会も、自律神経障害によって胃腸症状や立ちくらみ、勃起障害などさまざまな症状が起こることを説明しています。
ただし、こうした症状は糖尿病以外の病気でも起こります。
そのため、
「便秘だから糖尿病だ」
「立ちくらみがあるから糖尿病性神経障害だ」
と自己判断するのではなく、気になる症状が続く場合は医師に相談しましょう。
2.糖尿病網膜症
31位:糖尿病網膜症とは?
「糖尿病で目が悪くなる」
と聞いたことがある人は多いでしょう。
その代表的な病気が、糖尿病網膜症です。
網膜とは、眼球の奥にある、光を感じ取る重要な組織です。
カメラにたとえるなら、網膜はフィルムや撮像センサーのような役割を担っています。
ここに細かな血管がたくさん走っています。
長期間、高血糖の状態が続くと、網膜の血管が障害されることがあります。
日本眼科学会によると、糖尿病網膜症では血管の壁がもろくなり、血液成分が漏れたり、出血やむくみ、酸素不足などが起こったりします。進行すると新生血管が生じ、出血や網膜剥離などにつながることがあります。
35位:じわじわ進む視力低下
糖尿病網膜症の怖さは、
気づいたときには進行していることがある
という点です。
日本眼科学会によれば、糖尿病網膜症の初期には自覚症状がほとんどないことがあります。進行すると、
- かすんで見える
- 視力が低下する
- 視野の一部が暗く見える
- 飛蚊症が増える
などの症状が現れることがあります。
つまり、
「最近、少し見えにくいな」
と感じるころには、すでに目の中で変化が起こっている可能性があります。
もちろん、視力低下の原因は糖尿病網膜症だけではありません。
しかし、糖尿病がある人で視覚の変化を感じた場合には、自己判断せず眼科で確認することが大切です。
36位:成人の失明原因上位!「失明リスク」の実態
「糖尿病になると失明する」
という話を聞くと、極端に感じるかもしれません。
実際には、糖尿病と診断された人が必ず失明するわけではありません。
重要なのは、
糖尿病網膜症を早期に発見し、適切な治療・管理につなげること
です。
日本眼科学会は、糖尿病網膜症について、放置すると失明に至ることがあり、日本では成人の中途失明原因の上位を占めると説明しています。
だからこそ、
「視力はいいから眼科に行かなくてもいい」
とは考えないことが大切です。
糖尿病網膜症は、初期には症状がほとんどない場合があるからです。
日本眼科学会も、糖尿病と診断された人は自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受けることが重要で、年1回の定期検査が推奨されるとしています。
なぜ糖尿病で失明することがあるの?
仕組みを簡単に説明します。
ステップ1:高血糖が長く続く
↓
ステップ2:網膜の細い血管が傷つく
↓
ステップ3:血液成分が漏れたり、血管が詰まったりする
↓
ステップ4:網膜に酸素が届きにくくなる
↓
ステップ5:異常な新しい血管が作られる
↓
ステップ6:新生血管が破れるなどして出血する
↓
ステップ7:網膜剥離などを起こすことがある
↓
視機能が大きく損なわれる可能性
という流れです。
日本眼科学会では、進行した糖尿病網膜症で新生血管が破れると硝子体出血を起こしたり、線維性の膜が網膜を引っ張って牽引性網膜剥離を起こしたりすることがあると説明しています。
だから、
「見えているから大丈夫」ではなく、「見えているうちに検査する」
ことが重要です。
3.糖尿病性腎症
30位:糖尿病性腎症とは?
三大合併症の3つ目が、糖尿病性腎症です。
腎臓は、血液をろ過して体内の余分な水分や老廃物を尿として排出する重要な臓器です。
イメージとしては、
「体の中の浄水場」
のようなものです。
血液をきれいに保つために、腎臓は休むことなく働いています。
ところが、糖尿病による高血糖が長期間続くと、腎臓の細かな血管や組織に負担がかかり、腎機能が低下することがあります。
糖尿病性腎症も初期には自覚症状が乏しい場合があるため、検査が重要です。
腎臓は「壊れてから気づく」のが怖い
腎臓の怖さは、機能が低下しても初期には目立った症状が出ないことがある点です。
「尿が普通に出ているから腎臓は大丈夫」
とは限りません。
腎臓の状態を確認するためには、血液検査だけでなく、尿検査なども重要になります。
糖尿病の人は、血糖値だけを見るのではなく、
- HbA1c
- 血圧
- 尿検査
- 腎機能
- 脂質
- 眼底
など、全身の状態を確認することが大切です。
腎機能が低下するとどうなる?
腎臓の機能が大きく低下すると、
- 体内に老廃物がたまりやすくなる
- 水分や塩分の調節が難しくなる
- むくみが出る
- 貧血などが起こる
- 電解質のバランスが崩れる
など、全身に影響する可能性があります。
さらに腎機能が高度に低下すると、透析療法などの腎代替療法が必要になることがあります。
日本透析医学会は、糖尿病性腎症について病期分類を設けており、糖尿病性腎症が透析医療における重要な疾患であることを示しています。
「人工透析になるのが怖い」という人へ
糖尿病と診断されたからといって、
「将来必ず透析になる」わけではありません。
ここは非常に重要です。
糖尿病の治療の目標は、単に血糖値を下げることだけではありません。
合併症を予防し、進行を抑え、健康な生活をできるだけ長く維持することが重要です。
日本糖尿病学会の診療ガイドラインでも、血糖だけでなく、血圧や脂質、体重、禁煙などを含めた総合的な管理が重要とされています。
つまり、
糖尿病が見つかった時点から適切に管理することに意味があります。
糖尿病の三大合併症を一度整理してみよう
ここまでの内容を、いったん簡単に整理します。
| 合併症 | 主な場所 | 起こり得る問題 |
|---|---|---|
| 糖尿病性神経障害 | 神経 | しびれ、痛み、感覚低下など |
| 糖尿病網膜症 | 目・網膜 | 視力低下、出血、視野異常など |
| 糖尿病性腎症 | 腎臓 | 腎機能低下、進行すると透析など |
大切なのは、
3つとも「早期に気づくこと」が重要
だということです。
足切断や感染症も…全身に及ぶ深刻な症状と悪循環
糖尿病の怖さは、三大合併症だけではありません。
特に注意したいのが、
足病変
です。
「糖尿病と足に何の関係があるの?」
と思うかもしれません。
実は、糖尿病では、
- 神経障害
- 血流障害
- 感染
などが複雑に重なることで、足の傷が重症化することがあります。
33位・39位:傷が治らない?免疫低下と創傷治癒の遅延
「ちょっとした傷なら、そのうち治るでしょう」
普通なら、そう考えるかもしれません。
しかし糖尿病がある人では、傷の状態に注意が必要です。
糖尿病では、血糖コントロール不良などを背景に、感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくくなったりすることがあります。
特に足では、
神経障害+血流障害+感染
が重なることが問題になります。
日本糖尿病学会は、足病変について、神経障害によって傷などに気づきにくくなること、足の血管の動脈硬化によって血流が不足すること、感染への抵抗力が弱まり傷が治りにくく悪化しやすくなることを説明しています。
なぜ傷が治りにくくなるの?
傷が治るためには、
- 血液が届く
- 酸素が届く
- 栄養が届く
- 感染を抑える
- 新しい組織を作る
など、さまざまな仕組みが必要です。
ところが糖尿病では、血流障害や感染への抵抗力の低下などが重なることで、傷が悪化しやすくなることがあります。
さらに神経障害があると、
「傷があること自体に気づかない」
という問題まで加わります。
これが危険な悪循環です。
「靴ずれ」が大きな問題になることも
たとえば、新しい靴を履いて歩いたとします。
普通なら、
「かかとが痛い」
と感じて靴を脱ぎます。
ところが感覚が鈍くなっていると、
「痛くないから、そのまま歩く」
ことがあります。
その結果、
靴ずれ
↓
皮膚が傷つく
↓
傷に気づかない
↓
感染する
↓
傷が深くなる
↓
潰瘍になる
という流れにつながることがあります。
すべての人がこのように進行するわけではありません。
しかし、日本糖尿病学会のガイドラインでは、糖尿病性足病変が感染を伴うと重症化し、下肢切断につながる可能性があるとされています。
34位:最も避けたい「足病変・壊疽」と切断リスク
糖尿病において特に避けたい状態の一つが、
足潰瘍や壊疽
です。
「壊疽(えそ)」という言葉は少し怖く聞こえるかもしれません。
簡単に言えば、血流障害や感染などが関係して、組織が深刻なダメージを受ける状態です。
糖尿病性足病変では、
神経障害
血流障害
感染
が重なることがあります。
この3つをイメージしてください。
神経障害
↓
痛みを感じにくい
↓
傷に気づかない
血流障害
↓
傷に必要な酸素や栄養が届きにくい
↓
治りにくい
感染
↓
傷が悪化する
↓
さらに組織が傷つく
この悪循環が、足病変を重症化させる可能性があります。
日本糖尿病学会の2024年ガイドラインでも、糖尿病性足病変は神経障害や末梢動脈疾患と関連し、感染を伴うと重症化して下肢切断につながることがあるとされています。
「足切断」は誰にでも起こるわけではない
ここは、読者を必要以上に怖がらせないためにも明確にしておきましょう。
糖尿病だからといって、
必ず足を切断するわけではありません。
むしろ重要なのは、
足の異常を早く見つけて、適切に対応すること
です。
毎日、足を見る。
傷がないか確認する。
靴ずれがないか確認する。
皮膚の色がおかしくないか確認する。
水ぶくれがないか確認する。
爪の状態を確認する。
こうした小さな習慣が重要になります。
日本糖尿病学会も、足病変の予防には、日頃から足を観察して小さな変化に早く気づくこと、足の手入れを行うフットケアが大切だとしています。
毎日できる「足チェック」
糖尿病のある人は、入浴時や入浴後などに足を確認する習慣を作りましょう。
見るポイントは次の通りです。
- 赤くなっていないか
- 腫れていないか
- 水ぶくれがないか
- 傷がないか
- 出血していないか
- 皮膚が黒っぽくなっていないか
- ひび割れがないか
- たこや魚の目が悪化していないか
- 爪に異常がないか
- 水虫などがないか
- 左右で色や温度が違わないか
特に、
「痛くないから大丈夫」
と判断しないことが大切です。
38位:感染症にかかりやすくなるリスク
糖尿病では感染症にも注意が必要です。
日本糖尿病学会は、糖尿病の慢性合併症として、感染症なども挙げています。
高血糖の状態が続いていると、体の防御機能に影響し、感染症への注意が必要になる場合があります。
特に、
- 皮膚の感染
- 足の感染
- 尿路感染
- 歯周病
- 水虫などの皮膚・真菌感染
などには注意が必要です。
ただし、
「糖尿病の人は必ず感染症になる」わけではありません。
血糖コントロールの状態や年齢、合併症、その他の病気などによってリスクは異なります。
感染症と高血糖は悪循環になることがある
ここが重要です。
感染症が起こる
↓
体に強いストレスがかかる
↓
血糖値が上がりやすくなる
↓
血糖コントロールが悪化する
↓
感染症の管理がさらに難しくなる
という悪循環が起こることがあります。
日本糖尿病学会も、感染症や外傷などの強いストレスがあると、インスリンの必要性が増加し、急激な代謝異常につながる場合があることを説明しています。
だからこそ、
「風邪だから放っておけばいい」
「足の傷くらいなら大丈夫」
と自己判断しすぎないことが大切です。
39位:傷が治りにくいときに考えたいこと
もし、
- 小さな傷がなかなか治らない
- 足の傷が赤くなっている
- 腫れている
- 膿が出ている
- 傷の周りが熱を持っている
- 急に痛みが強くなった
- 逆に痛みがないのに傷が悪化している
- 足の色が変わった
- 黒っぽくなってきた
などの変化があれば、自己判断で様子を見続けないことが重要です。
特に糖尿病がある人では、足の傷を軽く考えないことが大切です。
日本糖尿病学会は、糖尿病性足病変について、感染を伴うと重症化して下肢切断につながる可能性があるとしています。
40位:血糖コントロール不良の悪循環
糖尿病の管理で大切なのが、
血糖値を「上げない」だけではなく、適切にコントロールすること
です。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「血糖値は低ければ低いほど良い」
という単純な話ではありません。
糖尿病治療では、低血糖にも注意が必要です。
特に薬物療法を受けている人は、治療内容によって低血糖のリスクがあります。
そのため、
高血糖だけを恐れて自己判断で薬を増減したり、食事を極端に抜いたりするのは避ける
ことが重要です。
治療目標は、年齢、糖尿病の期間、合併症、低血糖の危険性、生活環境などを考慮して個別に設定されます。日本糖尿病学会の2024年ガイドラインでも、治療目標は患者ごとの状態を考慮して決めることが示されています。
高血糖と低血糖、どちらも注意する
糖尿病の管理では、
高血糖を減らす
ことと、
低血糖を避ける
ことの両方が大切です。
高血糖が長期間続けば、合併症のリスクが高くなります。
一方、重い低血糖は意識障害などにつながる可能性があります。
そのため、
「食事を極端に減らせばいい」
「薬を勝手に増やせばいい」
という考え方は危険です。
治療は、
- 食事
- 運動
- 薬
- 血糖測定
- 体重
- 血圧
- 脂質
- 合併症
などを総合的に見ながら行います。
糖尿病の怖さは「合併症が連鎖する」こと
糖尿病の合併症を一つずつ説明してきましたが、実際の体では別々に起こるとは限りません。
たとえば、
高血糖
↓
神経障害
↓
足の感覚低下
↓
傷に気づかない
↓
感染
↓
足病変
↓
重症化
という流れが考えられます。
また、
糖尿病
↓
腎機能低下
↓
血圧などの管理がより重要になる
↓
心血管系のリスクにも注意が必要
というように、複数の問題が関係することもあります。
日本糖尿病学会は、糖尿病では三大合併症だけでなく、心筋梗塞、脳卒中、足病変、感染症などにも注意が必要としています。
だからこそ、
「血糖値だけ見ていればいい」
という病気ではありません。
糖尿病は「血糖値だけの病気」ではない
糖尿病という名前から、
「糖分の病気」
というイメージを持っている人もいるでしょう。
しかし、実際には全身に関係する病気です。
糖尿病を管理するときには、
1.血糖
HbA1cなどを確認します。
2.血圧
高血圧は糖尿病の細小血管合併症のリスク因子にもなります。日本糖尿病学会のガイドラインでも、高血圧が糖尿病性神経障害、網膜症、腎症などのリスク因子であることが示されています。
3.脂質
LDLコレステロールなどを含めて確認します。
4.腎臓
尿検査や血液検査などで状態を確認します。
5.目
眼科で網膜の状態を確認します。
6.神経
しびれや感覚低下などの症状を確認します。
7.足
傷、水虫、爪、皮膚、血流などを確認します。
このように全身を見ることが大切です。
「糖尿病の症状」があるなら、どう考えればいい?
糖尿病の症状として知られているものには、
- のどが渇く
- 水をたくさん飲む
- 尿が増える
- 夜中に何度もトイレに行く
- 体重が減る
- 疲れやすい
- だるい
- 視界がかすむ
- 傷が治りにくい
- 手足がしびれる
などがあります。
ただし、これらの症状は糖尿病だけで起こるものではありません。
だから、
「症状がある=糖尿病」
でもありません。
逆に、
「症状がない=糖尿病ではない」
とも言えません。
ここが糖尿病の難しいところです。
健康診断で「血糖値が高い」と言われたら?
もし健康診断で、
「血糖値が高いです」
「HbA1cが高めです」
「再検査してください」
と言われたら、放置しないことをおすすめします。
「去年も同じだったから大丈夫」
「自覚症状がないから大丈夫」
という考え方は避けましょう。
糖尿病は、症状がない状態でも進行することがあります。
まずは医療機関で、
- 本当に糖尿病なのか
- 境界型なのか
- どの程度の血糖状態なのか
- 合併症がないか
- 生活習慣をどう見直せばよいか
を確認することが重要です。
HbA1cとは?
健康診断でよく出てくるのが、
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)
です。
これは、血糖値がその瞬間だけどうだったかを見る検査とは違い、過去の一定期間の血糖状態を反映する指標です。
そのため、
「昨日は甘いものを食べなかったから大丈夫」
というような一時的な行動だけでは判断できません。
HbA1cは糖尿病の診断や治療方針を考えるうえで重要な指標の一つです。
ただし、HbA1cだけで全身の状態がすべて分かるわけではありません。
血糖、血圧、腎機能、尿検査、眼底検査などを組み合わせて確認することが重要です。
糖尿病を放置すると「何年後にどうなる」のか?
「糖尿病を放置すると、何年で合併症になりますか?」
これは非常によくある疑問です。
しかし、
「○年放置したら必ず網膜症になる」
というように、一律の答えを出すことはできません。
糖尿病の種類、血糖コントロール、血圧、脂質、喫煙、年齢、糖尿病になってからの期間、遺伝的要因、治療状況など、さまざまな要素が関係するからです。
だから、
「まだ40代だから大丈夫」
「糖尿病になって1年だから大丈夫」
と考えるのも適切ではありません。
逆に、
「糖尿病と診断されたから将来必ず失明する」
「絶対に透析になる」
と悲観する必要もありません。
大切なのは、
今の状態を確認し、必要な治療を始め、継続すること
です。
40代から特に気をつけたい糖尿病
40代になると、
「昔と同じように食べているのに太りやすくなった」
「運動する時間が減った」
「仕事が忙しくて食事が不規則」
「健康診断の数値が少しずつ悪くなっている」
という人も少なくありません。
ここで怖いのが、
小さな変化を何年も放置してしまうこと
です。
40代は、まだ働き盛りです。
仕事があります。
家族との生活があります。
趣味もあります。
だからこそ、糖尿病の合併症によって、
- 見えにくくなる
- 歩きにくくなる
- 透析が必要になる
- 足の治療が長引く
- 心臓や脳の病気への注意が必要になる
といった事態は、生活そのものに大きな影響を与える可能性があります。
糖尿病の予防・改善で大切なのは「極端な努力」ではない
糖尿病が怖いと知ると、
「今日から糖質を完全に抜こう」
「毎日何時間も運動しよう」
と考えてしまう人がいます。
しかし、極端な方法は長続きしにくいものです。
糖尿病の管理では、食事・運動・薬物療法などを組み合わせ、個々の状態に合わせて続けることが重要です。
食事で意識したい基本
まずは、
「食べない」より「食べ方を整える」
ことを考えてみましょう。
例えば、
- 野菜や海藻などを取り入れる
- 主食・主菜・副菜のバランスを考える
- 甘い飲み物を習慣的に飲まない
- 食べ過ぎを避ける
- 夜遅くの大量の食事を控える
- 食事を極端に抜かない
- 自分の体格や治療内容に合った食事量を確認する
といったことです。
ただし、糖尿病の食事療法は一人ひとり異なります。
腎症などの合併症がある場合には、食事内容について別の配慮が必要になることがあります。
自己流の極端な糖質制限や断食を始める前に、医師や管理栄養士に相談しましょう。
運動も「無理をしない」ことが重要
運動は糖尿病の管理において重要ですが、
誰でも同じ運動をすればいいわけではありません。
網膜症、腎症、神経障害、心臓病などがある場合には、運動内容に注意が必要なことがあります。
日本糖尿病学会も、合併症が進行している場合や血糖コントロールが悪い場合には、運動を控えたり、主治医に相談したりする必要があるとしています。
「糖尿病だから、とにかく激しい運動をしよう」
という考え方は避けましょう。
薬を処方されている人は自己判断で中断しない
糖尿病治療では、食事や運動だけではなく、薬が必要になる場合があります。
ここで注意したいのが、
「数値が良くなったから薬をやめよう」
と自己判断しないことです。
糖尿病の薬にはさまざまな種類があり、患者さんの病態や合併症などによって選択されます。
日本糖尿病学会も、2型糖尿病の薬物療法について、患者ごとの病態を考慮して治療薬を選択することを重視しています。
薬を減らしたい、やめたいという希望がある場合は、必ず主治医に相談してください。
三大合併症を防ぐために「検査」が重要な理由
ここまで読んで、
「怖い話ばかりで不安になった」
という人もいるかもしれません。
しかし、この記事で最も伝えたいのは、
「怖がること」ではなく、「早く確認すること」
です。
糖尿病の合併症は、早期発見や適切な治療が重要です。
特に糖尿病網膜症は、初期に自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検査が重要です。
腎臓についても、症状だけで判断せず、尿検査や血液検査などで確認することが重要です。
神経障害についても、しびれや感覚の変化がないかを医療者に伝えることが大切です。
糖尿病がある人の「定期チェック」
医療機関での検査内容は一人ひとり異なりますが、一般的には次のような項目が重要になります。
血糖関連
- 血糖値
- HbA1c
腎臓関連
- 尿検査
- 尿中アルブミンなど
- 血清クレアチニン
- eGFRなど
目
- 眼底検査
- 必要に応じて眼科での精密検査
神経
- しびれ
- 感覚
- 足の状態
足
- 傷
- 水虫
- 爪
- 皮膚
- 血流
動脈硬化関連
- 血圧
- LDLコレステロールなどの脂質
- 喫煙状況
- 体重
こうした情報を総合して、糖尿病の状態を管理していきます。
「糖尿病 三大合併症」で検索している人へ
もしあなたが今、
「糖尿病 三大合併症」
と検索してこの記事を読んでいるのであれば、覚えてほしいことがあります。
三大合併症は、
神経障害・網膜症・腎症
です。
そして、
- 神経障害 → 足の感覚低下など
- 網膜症 → 視力障害や失明につながる可能性
- 腎症 → 腎機能低下、進行すると透析など
という特徴があります。
ただし、糖尿病の問題はこの3つだけではありません。
動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中、足病変、感染症などにも注意が必要です。
「糖尿病 失明 リスク」が怖い人へ
糖尿病網膜症は、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。
だから、
「目は見えている」
「眼鏡を変えたら見える」
だけでは、網膜の状態まで判断できません。
糖尿病と診断されている人は、眼科で定期的に確認することが重要です。
日本眼科学会は、糖尿病と診断された人は自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受けることが重要で、年1回の定期検査を推奨しています。
「糖尿病 足 切断」が怖い人へ
足切断につながるケースを防ぐためには、
「傷を作らない」
ことと、
「傷を作ったら早く気づく」
ことが大切です。
そのために、
- 裸足で危険な場所を歩かない
- 足に合わない靴を避ける
- 靴ずれを放置しない
- 足を毎日確認する
- 爪を適切に手入れする
- 水虫を放置しない
- 小さな傷でも状態を確認する
といった対策が役立ちます。
特に神経障害がある場合は、痛みを感じにくいことがあります。
だからこそ、
目で見る習慣
が重要なのです。
糖尿病で「傷が治らない」と感じたら
傷が治らない理由は糖尿病だけではありません。
しかし糖尿病がある人では、傷の治りが悪い場合、血糖コントロールや血流、感染などについて確認する必要があります。
特に足の傷は軽視しないでください。
赤み、腫れ、熱感、膿、悪臭、皮膚の色の変化などがある場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
こんな人は一度、医療機関で相談を
次のような項目に当てはまる場合は、医療機関への相談を検討してください。
- 健康診断で血糖値が高いと言われた
- HbA1cが高いと言われた
- 再検査を勧められた
- のどが異常に渇く
- 尿が増えた
- 急に体重が減った
- 原因不明の強い疲労感がある
- 手足がしびれる
- 足の感覚がおかしい
- 視界がかすむ
- 視力が変化した
- 足に傷がある
- 傷がなかなか治らない
- 足が赤く腫れている
- 水虫を繰り返している
- 糖尿病の治療を中断している
- しばらく検査を受けていない
もちろん、これらの症状だけで糖尿病と決まるわけではありません。
重要なのは、
「気になる変化があるなら、原因を確認する」
という姿勢です。
すぐに医療機関へ相談したい症状
次のような症状がある場合は、通常の健康診断を待つのではなく、早めの医療相談を考えてください。
特に、
- 意識がおかしい
- 意識を失った
- 激しい吐き気や嘔吐
- 強い腹痛
- 呼吸が苦しい
- 異常に速く深い呼吸
- 急激な視力低下
- 視野が急に欠けた
- 足が急激に腫れた
- 足の傷から膿が出る
- 足が黒っぽく変色した
- 高熱を伴う感染症状
などです。
糖尿病では、急性合併症として糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態など、生命に関わる状態が起こることがあります。日本糖尿病学会もこれらを緊急治療が必要となる糖尿病の急性合併症として説明しています。
糖尿病を「怖い病気」で終わらせない
ここまで読むと、
「糖尿病って怖いな」
と感じたかもしれません。
確かに、糖尿病には失明、腎機能低下、神経障害、足病変など、生活の質に大きく関係する合併症があります。
しかし、
糖尿病=失明
ではありません。
糖尿病=足切断
でもありません。
糖尿病=必ず透析
でもありません。
ここを間違えないでください。
糖尿病の本当の意味での怖さは、
「何もしないまま長期間放置すること」
です。
一方で、
早期に発見する
↓
必要な治療を始める
↓
血糖・血圧・脂質などを管理する
↓
目・腎臓・神経・足を定期的に確認する
↓
生活習慣を少しずつ整える
という行動を取ることには、大きな意味があります。
日本糖尿病学会も、適切な治療によって合併症を最小限に抑え、すでに合併症がある場合にも進行を抑え、ほかの合併症を防ぐために治療を続けることが重要だとしています。
今日からできる糖尿病対策
最後に、難しいことではなく、日常生活で意識したいポイントを整理しましょう。
1.健康診断を放置しない
「要再検査」
「要精密検査」
「血糖値が高い」
と言われたら、そのままにしないこと。
2.HbA1cを確認する
血糖値だけでなく、HbA1cについても医師に説明してもらいましょう。
3.食事を極端に変えない
「糖質ゼロ」などの極端な方法より、継続できる食生活を考えましょう。
4.体を動かす
運動が可能な状態かどうかを確認したうえで、自分に合った運動を続けましょう。
5.体重を確認する
体重の変化を定期的に確認しましょう。
6.血圧も確認する
糖尿病では血糖だけでなく血圧管理も重要です。高血圧は三大合併症のリスク因子にもなります。
7.目を定期的に検査する
「見えているから大丈夫」と考えず、眼科で確認しましょう。
8.足を見る
毎日、足に傷がないか確認する習慣を作りましょう。
9.薬を自己判断で中断しない
薬について疑問があれば、医師に相談しましょう。
10.「症状がないから大丈夫」をやめる
これが非常に重要です。
糖尿病の合併症は、症状が出にくい段階があります。
まとめ:早期発見・早期治療で三大合併症を防ごう
糖尿病の怖さは、
血糖値が高いことそのものだけではありません。
長期間にわたる高血糖によって、全身の血管や神経などに影響が積み重なり、合併症につながる可能性があることです。
特に覚えておきたいのが、
糖尿病の三大合併症
1.糖尿病性神経障害
しびれや痛みだけでなく、感覚低下によって傷ややけどに気づきにくくなることがあります。進行した足病変が潰瘍や壊疽、切断につながる場合があります。
2.糖尿病網膜症
初期には自覚症状が乏しいことがあります。進行すると視力低下や出血、網膜剥離などを起こし、放置すると失明に至ることがあります。
3.糖尿病性腎症
腎臓の機能が低下し、進行すると腎代替療法が必要になる場合があります。
さらに、
- 足病変
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 感染症
などにも注意が必要です。
しかし、ここで忘れてはいけないのは、
「糖尿病になったら終わり」ではない
ということです。
むしろ大切なのは、
早く知ること。
きちんと検査すること。
必要な治療を続けること。
合併症を定期的に確認すること。
です。
「今は症状がないから大丈夫」が一番危険かもしれない
糖尿病について、最後に一つだけ覚えておいてください。
それは、
「症状がないこと」と「問題がないこと」は同じではない
ということです。
特に糖尿病網膜症のように、初期には自覚症状が乏しい合併症があります。
健康診断で異常を指摘されているのに、
「忙しいから」
「まだ40代だから」
「痛くないから」
と先送りしてしまうと、確認する機会を失ってしまいます。
反対に、
「一度、ちゃんと調べてみよう」
と行動すれば、今の自分の状態を知ることができます。
怖いのは病名そのものではありません。
何も確認しないまま時間だけが過ぎていくことです。
糖尿病が気になる方へ:まずは医療機関で相談しましょう
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方、糖尿病の症状が気になっている方、すでに糖尿病と診断されているものの長期間検査を受けていない方は、内科や糖尿病内科などで相談しましょう。
糖尿病は、一人ひとりで状態が違います。
年齢、体重、血糖値、HbA1c、血圧、腎機能、脂質、生活習慣、服薬状況、合併症の有無などを確認したうえで、治療方針が決まります。
「自分はまだ大丈夫」と決めつける必要もありません。
「もう糖尿病だから手遅れだ」と諦める必要もありません。
まずは、
自分の現在地を知る。
そこから始めてみてください。
糖尿病に関するよくある質問(FAQ)
Q1.糖尿病の三大合併症は何ですか?
糖尿病の三大合併症は、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症です。
いずれも長期間の高血糖と関係する代表的な慢性合併症です。日本糖尿病学会では、この3つを糖尿病に特徴的な細小血管合併症として説明しています。
Q2.糖尿病になると必ず失明しますか?
いいえ。
糖尿病と診断された人が必ず失明するわけではありません。
ただし、糖尿病網膜症は進行すると視力障害や失明につながる可能性があるため、定期的な眼科検査が重要です。
日本眼科学会によると、初期には自覚症状がほとんどないこともあります。
Q3.糖尿病になると必ず足を切断しますか?
いいえ。
糖尿病だから必ず足を切断するわけではありません。
ただし、神経障害による感覚低下、血流障害、感染などが重なると足病変が重症化し、下肢切断につながることがあります。
そのため、日頃から足を観察し、小さな傷でも早めに対処することが重要です。
Q4.糖尿病の初期症状は何ですか?
代表的な症状として、
- のどが渇く
- 水を多く飲む
- 尿が増える
- 体重が減る
- 疲れやすい
などがあります。
ただし、糖尿病は初期に自覚症状が乏しいこともあります。
そのため、症状だけで判断せず、健康診断や医療機関での検査が重要です。
Q5.糖尿病は治りますか?
糖尿病にはさまざまなタイプがあり、一概に「治る」「治らない」とだけ説明することはできません。
2型糖尿病では、食事、運動、体重管理、薬物療法などによって血糖を良好に管理し、合併症を防ぐことが重要です。
治療目標や治療内容は一人ひとり異なるため、医師と相談して決める必要があります。
Q6.血糖値が高くても症状がなければ病院に行かなくてもいいですか?
おすすめできません。
糖尿病では、合併症が初期にほとんど症状を示さない場合があります。
特に糖尿病網膜症では、初期に自覚症状がほとんどないことがあります。
健康診断で受診や再検査を勧められた場合は、医療機関に相談しましょう。
Q7.糖尿病の人は眼科にも行く必要がありますか?
糖尿病と診断されている場合、眼科で網膜の状態を確認することが重要です。
日本眼科学会は、糖尿病と診断された人について、自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受けることが重要で、年1回の定期検査を推奨しています。
Q8.足に傷ができたらどうすればいいですか?
糖尿病がある人は、足の傷を軽く考えないことが大切です。
傷の大きさだけでなく、
- 赤み
- 腫れ
- 熱感
- 膿
- 出血
- 色の変化
- 痛みや感覚の変化
などを確認しましょう。
悪化している、治りにくい、感染が疑われる場合などは医療機関へ相談してください。
Q9.糖尿病の薬は一度飲み始めたら一生やめられませんか?
薬の必要性は人によって異なります。
血糖の状態や体重、合併症、生活習慣、治療への反応などによって治療内容が変更されることがあります。
ただし、自己判断で薬を中止するのは避け、変更したい場合は主治医に相談してください。
Q10.糖尿病の予防で一番大切なことは何ですか?
「これだけをすれば糖尿病を完全に防げる」という方法はありません。
食事、運動、体重、睡眠、喫煙、飲酒などを含めた生活習慣を見直し、健康診断などで自分の状態を確認することが大切です。
また、糖尿病の発症には遺伝的な要素なども関係するため、糖尿病になったことを単純に「本人の努力不足」と考えるべきではありません。
最後に
糖尿病は、
「血糖値が高いだけの病気」
ではありません。
長期間にわたる高血糖が続くことで、
目
腎臓
神経
血管
足
など、全身に影響する可能性があります。
だからこそ、
糖尿病 三大合併症
という言葉を覚えておいてください。
そして、
神経障害
網膜症
腎症
の3つを定期的にチェックすることが大切です。
さらに、
「糖尿病 失明 リスク」
「糖尿病 足 切断」
といった言葉が気になる場合には、必要以上に恐れるのではなく、
「なぜ起こるのか」
「どうすれば早く見つけられるのか」
を知ることから始めましょう。
糖尿病は、何もせず放置することが怖い病気です。
しかし、早期に発見し、適切な治療と生活管理を続けることで、合併症の発症・進行を抑えることを目指せます。日本糖尿病学会も、適切な治療を継続することで合併症を最小限に抑え、すでに合併症がある場合にも進行を抑えることが重要だとしています。
もし健康診断で異常を指摘されているなら、
「もう少し様子を見よう」
ではなく、
「一度、医療機関で確認してみよう」
という選択肢を考えてください。
未来の自分の目を守るため。
腎臓を守るため。
足を守るため。
そして、これからも自分らしく生活するため。
糖尿病対策は、今日からでも始められます。
参考情報
- 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病合併症について」
- 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病ってどんな病気?」
- 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
- 公益社団法人日本眼科学会「糖尿病網膜症」
- 一般社団法人日本透析医学会「糖尿病性腎症病期分類」関連資料
※医療情報は更新されることがあります。診断・治療については、最新の情報をもとに医療機関でご相談ください。
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