イントロダクション
「最近、健康診断で血圧が高めって言われて…」 「前より疲れやすくて、なんだか体が重いんです」 「家族の健康も気になるし、自分もそろそろちゃんとしなきゃって思うんだけど」
40〜60代のあなたなら、こんな思いを一度は感じたことがあるかもしれません。
実は、この年代は高血圧がいちばん増え始める時期なんです。仕事や家庭での責任が重くなる一方で、体は正直に変化のサインを送ってきます。階段で息が切れる、夜中に目が覚める、むくみが気になる…こうした「ちょっとした違和感」を、以前より敏感に感じるようになっていませんか?
でも大丈夫。今日からできる小さな一歩があります。
その一つが、毎日の食卓に「まいたけ」を取り入れることです。
「え、まいたけ?本当に?」と思われるかもしれません。もちろん、まいたけは薬ではありません。食べた瞬間に血圧がストンと下がる魔法の食材でもありません。
でも、血圧が上がりにくい体づくりを、無理なく続けやすい形でサポートしてくれる——そんな頼もしい存在なんです。
この記事では、まいたけと血圧の関係を、できるだけやさしく、そして「明日から試してみようかな」と思えるような実践的な内容でお伝えします。難しい専門用語は最小限に、あなたの日常に寄り添う形でお話ししていきますね。
1. そもそも、なぜ血圧は上がるの?(基本のキホン)
血圧のことを考える前に、まず「血圧って何?」というところから、やさしく確認しましょう。
血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力のことです。この力が強くなりすぎる状態が「高血圧」。血管にずっと強い圧力がかかり続けると、血管が傷ついたり硬くなったりして、心臓や脳、腎臓に負担がかかってしまいます。
血圧が上がりやすくなる理由
40〜60代になると、血圧が上がりやすくなる背景には、こんな要素が絡み合っています。
【食事面】
- 塩分の多い食事が続いている
- 外食や惣菜が多く、味付けが濃い
- 野菜や果物が不足しがち
【日常習慣】
- 運動不足(デスクワーク中心、移動は車ばかり)
- 睡眠不足や睡眠の質の低下
- ストレスが多い(仕事・家庭・人間関係)
- 飲酒や喫煙の習慣
【体の変化】
- 年齢とともに血管が硬くなる
- 体重増加、特に内臓脂肪の蓄積
- 遺伝的な体質
厚生労働省の情報でも、日本人の高血圧は食塩(塩分)の影響が特に大きいとされています。そして、血圧を動かしている体の仕組みは一つではありません。いくつものスイッチが複雑に絡み合って、血圧は上がったり下がったりしています。
まいたけが関わってくるのは、そのスイッチの「一部」。ここがポイントです。
2. まいたけが血圧に良いと言われる「3つの理由」
まいたけと血圧の関係は、主に次の3つの方向から説明できます。難しくないので、一緒に見ていきましょう。
理由①:血圧を上げる体の仕組みに「ブレーキ」がかかる可能性
私たちの体には、血圧を上げる仕組みがあります。その代表が「RAS(レニン・アンジオテンシン系)」と呼ばれるシステムです。
これは本来、脱水や出血のときに血圧を維持するための大切な機能。でも、現代の生活ではこの仕組みが”働きすぎる”ことがあり、それが高血圧につながります。
この流れの中で重要な役割を果たすのが「ACE(アンジオテンシン変換酵素)」という物質。ACEが働くと、血管が収縮したり、体内に塩分と水分がたまりやすくなったりして、血圧が上がりやすくなります。
まいたけの研究でわかっていること
まいたけ由来の抽出物を使った動物実験(ラット)では、興味深い結果が出ています。
- 加齢に伴う血圧上昇が抑えられた
- 血液中のACE活性が低下した
- 高血圧モデルのラットで血圧上昇が抑制された
つまり、**「血圧を上げるスイッチの一つに、まいたけ由来の成分が”ブレーキ側”で関わる可能性がある」**ということなんです。
もちろん、これは動物実験の段階ですし、人間がまいたけを食べた場合にどれくらい効果があるかは、まだ研究途中。でも、「血圧対策の食材として注目されている理由」の一つが、ここにあります。
理由②:「減塩しやすい」食材だから(これがいちばん実践的!)
高血圧対策で必ず出てくるのが減塩です。
厚生労働省は、成人の食塩摂取目標を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。日本高血圧学会では、高血圧の人は1日6g未満を強く推奨しています。
でも、正直なところ…
「減塩って、続けるのがしんどいんです」
という声をよく聞きます。
- 味が薄く感じて、食べた気がしない
- 家族が「おいしくない」と文句を言う
- 外食や惣菜が多いと、コントロールが難しい
そこで、まいたけの出番です。
まいたけは「うま味」と「香り」が強い食材
まいたけには、きのこ特有の豊かな香りと、しっかりした食感があります。だから、塩を控えめにしても「食べた感」「満足感」が出やすいんです。
つまり、まいたけは「血圧に良い成分があるかも」という以前に、減塩生活を続けやすくする強い味方なんですね。
減塩は”続けた人が勝つ”分野。いくら完璧な減塩メニューを作っても、1週間で挫折したら意味がありません。まいたけなら、無理なく、おいしく、家族も一緒に食べやすい——これは本当に大きなメリットです。
カリウムで塩分バランスをサポート
まいたけには「カリウム」も含まれています。カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を排泄するのを助ける働きがあるとされています。
厚生労働省の解説でも、カリウムが食塩の排泄を促す働きがあると紹介されています。
※ただし注意:腎臓病などでカリウム制限が必要な方は、主治医の指示を必ず優先してください。
理由③:血管の「炎症」や「状態」に間接的に関わる可能性
高血圧が続くと、血管は硬くなりやすくなります。また、メタボ、高血糖、睡眠不足、ストレスなどが重なると、体の中で慢性的な炎症が起こりやすくなり、血管にも負担がかかります。
まいたけ抽出物を使った研究では、血圧だけでなく、炎症に関わる指標が低下したという報告もあります。
誤解しないでほしいのは、「まいたけを食べれば炎症が消える」という話ではありません。
ただ、血圧・血糖・体重・炎症はつながっていて、40〜60代で気になる”あれこれ”を、食習慣から整える流れの中で、まいたけは使いやすい食材だということです。
3. 40〜60代が「続けやすい」まいたけ習慣の始め方
ここからは、「明日からやってみよう」と思える具体的な方法をお伝えします。
目標は「週3〜5回」でOK
血圧対策は、気合いより継続です。
毎日まいたけを食べなくちゃ!と頑張りすぎると、かえって続きません。まずは週3〜5回くらいを目安に、食卓の”定番”にすることを目指しましょう。
「月曜・水曜・金曜はまいたけの日」みたいに、ゆるく決めてしまうのもおすすめです。
4. いちばん簡単な食べ方:「汁もの」と「蒸し焼き」
まいたけを続けやすくするコツは、調理が簡単で、おいしく、減塩になる食べ方を選ぶこと。
おすすめは、この2つです。
(1)まいたけ味噌汁を「具だくさん」に(味噌は控えめ)
味噌汁は、日本人にとって毎日の定番。でも、塩分が上がりやすいメニューでもあります。
ポイントは、味噌は少なめ、具は多め。
- 具の例:まいたけ+豆腐+わかめ+ねぎ(または白菜、大根)
- 味付けのコツ:だしをしっかり効かせて、味噌の量を減らす
具がたっぷりだと、少ない味噌でも満足感が出ます。これは厚生労働省でも減塩の工夫として紹介されている方法です。
(2)まいたけの「蒸し焼き」(油少なめ、仕上げはレモンやおろし)
フライパンに少量の油(または油なしで水少々)を入れて、まいたけを蒸し焼きに。
仕上げに、こんなものをプラスすると、醤油が少量で済みます。
- レモン汁
- こしょう
- おろし生姜
- 大根おろし
- ポン酢少々
減塩の基本は「香り・酸味・香辛料」を活用すること。国立循環器病研究センターでも、この方法が推奨されています。
5. 「まいたけだけ」より効く!組み合わせの知恵
血圧対策は、単品より**”チーム戦”**が効果的です。
おすすめの組み合わせ
- まいたけ+野菜(カリウム・食物繊維で塩分バランスを整える)
- まいたけ+大豆製品(良質なたんぱく質)
- まいたけ+魚(脂質の質を良くする)
家族も一緒に食べやすいメニュー
40〜60代は、自分だけでなく家族の健康も気になる時期ですよね。だから、「同じ鍋・同じ皿」で食べられるメニューが理想的です。
- まいたけ入り野菜炒め(薄味でも香りで満足)
- まいたけと豆腐のスープ(夕食の定番に)
- まいたけ入り炊き込みご飯(だしを効かせて塩分控えめ)
「お父さんだけ特別メニュー」だと続きません。家族みんなが自然においしく食べられる形を目指しましょう。
6. 血圧対策は「食事だけ」じゃない!日常習慣の見直しも大切
まいたけを取り入れることは素晴らしい一歩ですが、血圧は食事・運動・睡眠・ストレス対策が総合的に関わっています。
運動:「歩く」から始めよう
激しい運動は必要ありません。まずは1日20〜30分の散歩から。
- 通勤で一駅分歩く
- 買い物のついでに少し遠回り
- 夕食後に近所を軽く散歩
運動は、血圧を下げるだけでなく、ストレス対策にもなります。
睡眠:「質」を意識する
40〜60代は、仕事や家庭のことで睡眠が削られがち。でも、睡眠不足は血圧を上げる大きな要因です。
- 寝る1時間前はスマホを見ない
- 寝室を暗く、静かに保つ
- 寝る前の軽いストレッチ
「長く寝る」より「ぐっすり眠る」を意識しましょう。
ストレス対策:「少しでも抜く」時間を
仕事や家庭での責任が重い年代だからこそ、意識的にストレスを抜く時間を作りましょう。
- 好きな音楽を聴く
- お風呂にゆっくり浸かる
- 趣味の時間を少しでも持つ
ストレスがたまると、血圧も上がりやすくなります。完璧を目指さず、「できる範囲で」がポイントです。
7. こんな人は注意してください(大切なお話)
まいたけは一般的に安全性の高い食材ですが、次の方は念のため注意が必要です。
- 腎臓病などでカリウム制限がある方:きのこ類全般について、主治医の指示を優先してください
- 降圧薬を飲んでいる方:自己判断で極端に食事内容を変えず、気になる場合は医師に相談を
- 体質的にきのこでお腹が張りやすい方:少量から始めて、よく加熱して食べましょう
そして、血圧は「たまに測る」より**”自宅で継続して測る”**方が、体の傾向が見えて安心につながります。
8. 今日からの「小さな一歩」チェックリスト
全部やる必要はありません。どれか一つでOKです。
□ まずは週3回、買い物でまいたけを買ってみる
□ 味噌汁は「味噌少なめ・具多め」にする
□ しょうゆは「かける」より「つける」に変える
□ 麺の汁は残す(1回で2〜3g減塩になることも)
□ 1日20分、散歩してみる
□ 寝る前のスマホをやめてみる
「やれることだけ」でも、積み重なればちゃんと効いてきます。
おわりに:「ちょっとずつ」が、やがて大きな変化になる
40〜60代のあなたは、体の変化を敏感に感じ始めているからこそ、「このままじゃまずいかも」と思える、行動につながりやすい時期でもあります。
まいたけは、魔法の食材ではありません。でも、血圧が上がりにくい体づくりを、無理なく続けやすい形でサポートしてくれる頼もしい仲間です。
大切なのは、完璧を目指すことじゃなく、「ちょっとずつ続けること」。
今日、スーパーでまいたけを1パック買ってみる。味噌汁に入れてみる。それだけでも、立派な一歩です。
あなたと、あなたの大切な家族の健康のために。 小さな一歩を、今日から一緒に始めてみませんか?
【参考文献】
- Maitake Mushroom Extracts Ameliorate Progressive Hypertension and Other Chronic Metabolic Perturbations in Aging Female Rats
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2887057/ - マイタケ投与が高血圧自然発症ラットの血圧及び体重に及ぼす影響(日本食品科学工学会誌)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/46/12/46_12_806/_pdf - 高血圧(厚生労働省 e-ヘルスネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html - さあ、減塩!(日本高血圧学会)
https://www.jpnsh.jp/general_salt_02.html - 減塩食について(国立循環器病研究センター)
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/low-salt/
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