はじめに
「最近、健康診断で血圧が高めって言われちゃって…」
そんな会話、最近増えていませんか?40代を過ぎると、それまで何ともなかった血圧の数値が、じわじわと上がってくることが多いんです。会社の健康診断や人間ドックで「要注意」のマークがつくと、ドキッとしますよね。
実は、40〜60代は高血圧が最も増え始める年代なんです。若い頃は全く気にならなかった体の変化に、敏感になってくる時期でもあります。「親も高血圧だったし、自分もそうなるのかな」「薬を飲み始めなきゃいけないのかな」と不安になる方も多いと思います。
でも、ちょっと待ってください。まだ諦めるのは早いですよ。
今日ご紹介したいのは、昔から日本の食卓に並んできた身近な食材、ひじきの力です。この黒い海藻には、実は血圧を下げる素晴らしい働きが詰まっているんです。特別な薬やサプリメントではなく、スーパーで手軽に買える食材で、毎日の食事から血圧対策ができたら嬉しいですよね。
この記事では、ひじきがなぜ血圧に良いのか、どのように食べればいいのか、そして血圧を下げるための日常習慣について、できるだけわかりやすく、親しみやすくお伝えしていきます。
あなたとご家族の健康のために、今日から始められる小さな一歩を、一緒に見つけていきましょう。
なぜ40代を過ぎると血圧が上がるの?
まず、どうして40代を過ぎると血圧が上がりやすくなるのか、少しお話しさせてください。
私たちの体の中では、血液が休むことなく流れ続けています。この血液が血管の壁を押す力が「血圧」です。若い頃は血管が柔らかく、しなやかなので、血液がスムーズに流れます。でも、年齢を重ねるにつれて、血管は少しずつ硬くなり、弾力が失われていくんです。
さらに、40代を過ぎるとストレスや仕事の責任が増えたり、運動不足になったり、食事の内容が偏ったり、睡眠不足になったりと、血圧を上げる要因がどんどん増えてきます。特に、塩分の多い食事を続けていると、体の中にナトリウムが溜まって、血液の量が増え、血圧が上がってしまうんです。
日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多いと言われています。醤油、味噌、漬物、ラーメン、お寿司…。美味しい日本食には塩分がたっぷり含まれているので、知らず知らずのうちに摂りすぎてしまうんですね。
でも、ご安心ください。適切な食事と日常習慣の見直しで、血圧は改善できることが多いんです。
ひじきが血圧を下げる4つの理由
それでは本題です。なぜひじきが血圧に良いのか、その秘密を4つのポイントに分けてご紹介します。
理由1:カリウムが余分な塩分を追い出してくれる
ひじきの最大の特徴は、「カリウム」というミネラルがとても豊富に含まれていることです。
カリウムには、体の中に溜まった余分なナトリウム(塩分)を、尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがあります。まるで、体の中のお掃除屋さんのようですね。昨日、ついつい塩辛いものを食べすぎてしまった…という日でも、カリウムをしっかり摂っていれば、そのナトリウムを排出するのを手伝ってくれるんです。
さらに、カリウムには血管を広げる働きもあります。血管が広がると、血液がスムーズに流れやすくなり、血管の壁にかかる圧力が減るため、血圧が下がるというわけです。
ひじきに含まれるカリウムの量は、同じ海藻の仲間であるわかめや昆布と比べても、とても多いのが特徴です。少量でも効率よくカリウムを摂ることができるので、忙しい毎日でも無理なく続けられますね。
理由2:マグネシウムが血管をリラックスさせる
ひじきには「マグネシウム」というミネラルも豊富に含まれています。
マグネシウムには、血管の壁の筋肉をゆるめて、リラックスさせる働きがあります。仕事で緊張してカチコチになった肩を、マッサージでほぐすような感じですね。血管がリラックスすると、血液が流れやすくなり、血圧が下がります。
また、マグネシウムは心臓のリズムを整える働きもあります。血液を全身に送り出すポンプである心臓が、規則正しく動いてくれることで、血圧も安定しやすくなるんです。
実は、マグネシウムが不足すると、血管が収縮しやすくなり、高血圧になりやすくなることが研究でわかっています。現代人はマグネシウムが不足しがちと言われているので、ひじきで補うことはとても大切なんです。
理由3:カルシウムが血管の健康を守る
ひじきといえば「カルシウム」というイメージをお持ちの方も多いと思います。カルシウムは骨を丈夫にするだけでなく、実は血圧を正常に保つ働きもあるんです。
カルシウムは、血管の収縮と拡張をコントロールする大切な役割を担っています。カルシウムが不足すると、血管が上手に広がらなくなり、血液が流れにくくなって、血圧が上がってしまうことがあります。
ひじきのカルシウム含有量は驚くほど豊富で、なんと牛乳の約9〜12倍とも言われています。牛乳を飲むのが苦手な方でも、ひじきなら無理なくカルシウムを摂ることができますね。
さらに、カルシウムは血液の流れをスムーズにする働きもあります。血流が良くなれば、血管への負担も減り、血圧が安定しやすくなります。
理由4:食物繊維が血圧上昇を防ぐ
ひじきには「食物繊維」もたっぷり含まれています。食物繊維といえば、便秘解消のイメージが強いかもしれませんが、実は血圧にも良い影響があるんです。
ひじきに多く含まれる水溶性食物繊維の一種「アルギン酸」は、腸の中で塩分(ナトリウム)を吸着して、体の外に出す働きがあります。まるで、腸の中で塩分をキャッチして、そのまま外に連れ出してくれるような感じです。
食物繊維の量は、なんとごぼうの約7〜10倍。ひじきを小鉢1杯分(乾燥ひじき5g程度)食べるだけで、約2gの食物繊維を摂ることができます。これは、1日に必要な食物繊維(15〜20g)の約10分の1に相当します。
また、食物繊維には血糖値の急上昇を抑える働きもあります。血糖値が急に上がると血管にダメージを与えることがあるので、食物繊維で血糖値を安定させることも、間接的に血圧の安定につながるんです。
科学的にも証明されているひじきの効果
「本当にひじきで血圧が下がるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。海藻と血圧の関係については、しっかりとした研究が行われているんです。
国立がん研究センターや筑波大学などの研究グループが発表した大規模な調査によると、わかめや昆布などの海藻を週に3日以上食べている人は、あまり食べない人に比べて、心臓や血管の病気になるリスクが低いことがわかっています。
また、海藻に含まれるアルギン酸(水溶性食物繊維)が、体内でナトリウムイオンを吸着し、カリウムイオンを放出することで、血圧を下げる効果があることも、研究で明らかになっています。
さらに、高血圧の方を対象にした臨床試験では、海藻を継続的に摂取することで、血圧が改善したという報告もあります。これらの研究結果から、ひじきをはじめとする海藻が、血圧管理に役立つことは科学的にも裏付けられているんです。
ひじきを食べるときの注意点
ひじきは素晴らしい食材ですが、食事として取り入れるときに、少しだけ気をつけていただきたいことがあります。
ヒ素について知っておこう
ひじきには「無機ヒ素」という物質が含まれています。ヒ素と聞くと驚かれるかもしれませんが、落ち着いてくださいね。大切なのは「量」なんです。
厚生労働省によると、乾燥ひじきを水で戻したものを1日4.7g未満の摂取であれば、健康上の問題はないとされています。実際、日本人の平均的なひじきの摂取量は1日約0.9gと言われていますから、通常の食べ方であれば心配する必要はありません。
また、これまでにひじきを食べてヒ素中毒になったという報告はありません。日本では何百年もひじきを食べ続けてきましたが、健康被害は報告されていないんです。
ヒ素を減らす調理のコツ
それでも心配な方のために、ひじきに含まれるヒ素を減らす方法をお伝えします。
1. しっかり水で戻す 乾燥ひじきを30分以上、たっぷりの水に浸けて戻すことで、ヒ素の75〜95%を除去できると言われています。特に、温かい水で戻すと、より多くのヒ素が抜けます。
2. 戻した水は捨てる 水で戻した後の水には、ヒ素が溶け出しています。この水は必ず捨てて、新しい水で2〜3回すすぎましょう。
3. 茹でこぼす さらに心配な場合は、戻したひじきを一度茹でて、その茹で汁を捨てる「茹でこぼし」をすると、より安心です。
これらの方法で調理すれば、ヒ素は大幅に減らせますので、安心して食べることができますよ。
適切な量を守ろう
何事も「適量」が大切です。ひじきは体に良い食材ですが、食べすぎには注意しましょう。
目安としては、乾燥ひじき5g(水で戻すと30〜40g程度)を週に2〜3回程度が良いとされています。これは、小鉢1杯分のひじきの煮物くらいの量です。
毎日大量に食べる必要はありません。週に2〜3回、小鉢1杯分を食卓に加えるだけで、十分に効果が期待できます。
毎日の食事に取り入れる簡単な方法
「ひじきって、煮物しか作り方を知らないんだけど…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大丈夫です。ひじきは、いろいろな料理に使える便利な食材なんです。
定番のひじきの煮物
やっぱり定番は「ひじきの煮物」ですね。大豆やニンジン、油揚げなどと一緒に煮ると、栄養バランスも良く、とても美味しくなります。
おすすめポイント:
- 作り置きができるので、週に一度まとめて作っておけば、毎日少しずつ食べられます
- 冷蔵庫で3〜4日保存できます
- お弁当のおかずにもぴったりです
特に、大豆と組み合わせるのがおすすめです。大豆には良質なタンパク質が含まれていて、血圧を下げる働きもあります。ひじきと大豆の組み合わせは、食事による血圧対策の最強コンビと言えますね。
サラダでさっぱりと
水で戻したひじきを、レタスやトマト、きゅうりなどの野菜と混ぜて、サラダにするのもおすすめです。
作り方のコツ:
- ひじきを戻したら、サッと茹でて冷ましておきます
- お好みの野菜と混ぜて、ドレッシングをかけるだけ
- レモン汁やバルサミコ酢を使うと、さっぱりして美味しいですよ
- ツナを加えると、子どもも喜ぶ味になります
和風だけでなく、洋風にアレンジできるのもひじきの魅力です。
炊き込みご飯で手軽に
ひじきを炊き込みご飯に入れるのも、とても簡単で美味しい方法です。
作り方:
- お米を研いだら、通常の水加減で水を入れます
- 戻したひじき、ニンジン、油揚げなどを加えます
- 醤油、みりん、だしの素を少し加えて、炊飯器で炊くだけ
一度にたくさん作れるので、家族みんなで食べられますね。おにぎりにしてもおいしいですよ。
お味噌汁やスープに
お味噌汁やスープに、ひじきをちょっと加えるだけでも、栄養価がグッと上がります。
簡単な使い方:
- いつものお味噌汁に、戻したひじきをひとつまみ加えるだけ
- わかめの代わりにひじきを使ってみる
- 中華スープや卵スープに入れても美味しいです
毎日のお味噌汁に少し加えるだけなら、無理なく続けられますね。
血圧を下げる日常習慣も大切に
ひじきを食事に取り入れるだけでなく、他の日常習慣も組み合わせると、より効果的に血圧を管理できます。
減塩を心がける
ひじきのカリウムが塩分を排出してくれるとはいえ、やはり塩分の摂りすぎには注意が必要です。
簡単な減塩のコツ:
- 醤油は「かける」のではなく「つける」
- 麺類の汁は飲み干さない
- 加工食品(ハムやソーセージなど)を減らす
- レモンや酢、香辛料で味にアクセントをつける
- だしをしっかり取って、旨みで塩分をカバーする
外食が多い方は、特に注意が必要です。外食の料理は味付けが濃いことが多いので、週に1〜2回程度に抑えるのが理想的です。
適度な運動を習慣に
運動不足は、高血圧の大きな原因の一つです。でも、激しいスポーツをする必要はありません。
おすすめの運動:
- 1日30分程度のウォーキング:近所を散歩するだけでOK
- 階段を使う:エレベーターの代わりに階段を使う
- ラジオ体操:朝の習慣にすると目覚めもスッキリ
- ストレッチ:テレビを見ながらでもできます
特にウォーキングは、運動の中でも手軽に始められて、継続しやすいのでおすすめです。朝、少し早起きして近所を歩くだけで、気分もリフレッシュしますよ。
通勤で一駅分歩く、買い物は車ではなく徒歩で行くなど、日常習慣の中に運動を取り入れることがポイントです。
質の良い睡眠を確保する
睡眠不足は、血圧を上げる大きな原因になります。40〜60代は、仕事や家庭の責任で忙しく、ついつい睡眠時間を削ってしまいがちですよね。
良い睡眠のためのコツ:
- 毎日同じ時間に寝る:体内時計が整います
- 寝る1時間前にはスマホを見ない:ブルーライトが睡眠を妨げます
- 寝室は暗く、静かに:快適な環境を作りましょう
- 寝る前のお風呂:ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、リラックスできます
- カフェインは夕方以降控える:コーヒーや緑茶は午後3時以降は避けましょう
理想的な睡眠時間は7〜8時間と言われています。睡眠の質が良くなると、血圧も安定しやすくなりますよ。
ストレス対策を忘れずに
40〜60代は、仕事では責任あるポジションについていたり、家庭では子どもの進路や親の介護など、ストレスがたまりやすい時期です。ストレスは血圧を上げる大きな原因の一つなんです。
ストレス対策の方法:
- 好きな音楽を聴く:リラックスできる音楽で心を落ち着かせる
- お風呂にゆっくり浸かる:38〜40度のぬるめのお湯が理想的
- 趣味の時間を作る:ガーデニング、読書、映画鑑賞など、好きなことをする時間を持つ
- 深呼吸をする:仕事の合間に、深くゆっくりと呼吸するだけでも効果的
- 人と話す:友人や家族との会話は、ストレス解消に役立ちます
ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に付き合う方法を見つけることが大切です。忙しい毎日の中でも、ホッとできる時間を意識的に作りましょう。
禁煙・節酒も大切
タバコは血管を収縮させ、高血圧の原因になります。お酒の飲み過ぎも血圧を上げてしまいます。
できる範囲で、タバコは控え、お酒は適量(日本酒なら1合、ビールなら500ml程度まで)を守ることが望ましいですね。
家族みんなで健康に
血圧が気になり始める40〜60代は、お子さんやお孫さんの健康も気になる年代ではないでしょうか。ひじきは、家族みんなの健康に役立つ食材です。
子どもにとっても:
- 成長に必要なカルシウムがたっぷり
- 食物繊維で腸内環境を整える
- 鉄分で貧血予防
若い世代にとっても:
- ダイエット中でも安心の低カロリー
- 美肌効果のあるビタミンやミネラル
- 便秘解消
家族みんなでひじき料理を囲んで、健康な食生活を送れたら素敵ですね。
まとめ:小さな一歩から始めよう
ここまで、ひじきが血圧を下げる理由と、血圧管理のための日常習慣について、詳しくお伝えしてきました。最後にポイントをおさらいしましょう。
ひじきが血圧を下げる4つの理由:
- カリウムが余分な塩分を排出する
- マグネシウムが血管をリラックスさせる
- カルシウムが血管の健康を守る
- 食物繊維が塩分の吸収を抑える
血圧を下げる日常習慣:
- 食事:減塩とひじきなどの血圧に良い食材を取り入れる
- 運動:1日30分程度のウォーキング
- 睡眠:毎日7〜8時間の質の良い睡眠
- ストレス対策:リラックスできる時間を作る
安全に食べるために:
- 乾燥ひじき5gを週に2〜3回程度
- しっかり水で戻して、戻し汁は捨てる
- 茹でこぼすとさらに安心
血圧が気になり始めたとき、「もう年だから仕方ない」「薬を飲まなきゃいけないのかな」と不安になるかもしれません。でも、まずは身近な食材と日常習慣の見直しから始めてみませんか。
ひじきは、スーパーで手軽に買えて、保存もきいて、調理も簡単な、とても便利な食材です。特別なことをする必要はありません。週に2〜3回、小鉢1杯分のひじき料理を食事に加えるだけで、血圧管理の大きな助けになります。
そして、適度な運動、質の良い睡眠、ストレス対策など、できることから少しずつ取り入れていきましょう。一度にすべてを完璧にしようとすると続きません。まずは一つずつ、無理なく続けられることから始めることが大切です。
日本人は昔から、海の恵みである海藻を食べて、健康を保ってきました。その知恵を、現代の私たちの生活にも活かしていきましょう。
あなたとあなたの大切な家族の健康のために、今日からひじきを取り入れた食生活を始めてみませんか。小さな一歩が、大きな健康につながっていきますよ。
40代からでも、60代からでも、遅すぎることはありません。今日が、あなたの健康な人生への新しいスタートです。
参考文献
- 全国ひじき協同組合「ひじきの栄養成分」
https://www.hijiki.org/trivia-nutrition/ - 協会けんぽ「ひじきと大豆の煮物」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat520/12/2512/ - 厚生労働省「ヒジキ中のヒ素に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html - ふるさと納税ガイド「ひじきに含まれる栄養素は?効能や食べる際の注意点も解説」
https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202407-hijiki/ - くらこん「ひじきの栄養」
https://www.kurakon.jp/ency_hijiki/05.html - CureApp「高血圧の方の食事|注意すべきこととは?血圧を下げる食品をご紹介」
https://cureapp.co.jp/productsite/ht/media/tips/meal.html - 大正製薬「カリウム – 体の恒常性の維持と高血圧予防に働くミネラル」
https://www.taisho-kenko.com/special/vitamin-mineral/potassium/ - 板谷内科クリニック「循環器内科の食事療法について」
https://itaya-naika.co.jp/blog/循環器内科/食事療法 - Murai U, Yamagishi K, Kishida R, Iso H. “Impact of seaweed intake on health.” European Journal of Clinical Nutrition, 2021.
https://www.nature.com/articles/s41430-020-00739-8 - Hata Y, Nakajima K, Uchida J, et al. “Clinical effects of brown seaweed, Undaria pinnatifida (wakame), on blood pressure in hypertensive subjects.” Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition, 2001.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcbn1986/30/0/30_0_43/_article/-char/ja/
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