健康診断の数値、気になっていませんか?
「血圧、少し高めですね」
健康診断でこの言葉を聞いて、ドキッとした経験はありませんか?40代、50代と年齢を重ねるにつれて、血圧の数値が徐々に上がってきて、不安を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。
実は、高血圧は40代から急激に増え始めます。厚生労働省の調査によると、40代では約3人に1人、50代では約2人に1人が高血圧の状態にあると言われています。「まだ若いつもりだったのに…」そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、「薬を飲むほどではないけど、何か対策はしたい」「できれば自然な方法で血圧を改善したい」そう思っている方も多いはずです。そこで今日は、日本人が昔から親しんできた「さば」が、実は血圧対策の頼もしい味方になってくれる、というお話をさせていただきます。
この記事では、難しい専門用語はできるだけ避けて、誰にでもわかりやすく、そして今日から実践できる方法をお伝えしていきます。さばを食べることはもちろん、日常習慣の改善、食事のコツ、適度な運動、質の良い睡眠、そしてストレス対策まで、総合的にご紹介していきますね。
あなたとご家族の健康な未来のために、一緒に一歩を踏み出しましょう。
なぜ40代から血圧が上がりやすくなるの?
まず、なぜ40代を過ぎると血圧が上がりやすくなるのか、その理由を知っておきましょう。自分の体に何が起きているのかを知ることが、対策の第一歩です。
血管の老化が始まる時期
私たちの血管は、年齢とともに少しずつ硬くなっていきます。若い頃は柔軟性のあったゴムホースのような血管が、徐々に硬いパイプのようになっていくイメージです。血管が硬くなると、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならなくなり、その結果、血圧が上がってしまうんです。
「最近、階段を上がると息切れする」「疲れやすくなった」そんな体調の変化を感じていませんか?それは、血管の老化が始まっているサインかもしれません。
ホルモンバランスの変化
40代以降は、男性も女性もホルモンバランスが変化する時期です。特に女性の場合、更年期に入ると、血管を保護してくれていた女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。これも血圧上昇の一因となります。
ストレスの蓄積
40代、50代は、仕事でも責任ある立場になり、家庭では子育てや親の介護など、様々なストレスを抱えやすい時期でもあります。慢性的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血圧を上昇させる要因になります。
生活習慣の影響
若い頃と比べて運動量が減ったり、仕事の付き合いでお酒を飲む機会が増えたり、夜遅くまで働いて睡眠不足になったり…そうした生活習慣の積み重ねも、血圧に影響してきます。
こうした理由から、40代以降は特に血圧に注意が必要な時期なんですね。でも、だからこそ、今から対策を始めることが大切です。遅すぎることはありません。
さばって、どんな魚?その栄養の秘密
さばは、日本の食卓に欠かせない青魚の代表選手です。スーパーでも手軽に買えて、塩焼きにしたり、味噌煮にしたり、最近では「さば缶」として大人気ですよね。
オメガ3脂肪酸という宝物
さばの最大の特徴は、「オメガ3脂肪酸」という体にとても良い油が豊富に含まれていること。特に「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という2つの成分がたっぷりで、これが血圧を下げる大きな力になっているんです。
具体的な数字を見てみましょう。さば1切れ(約100g)には、EPAが約1.2g、DHAが約1.8gも含まれています。これは、他の魚と比べてもトップクラスの量なんですよ!
昔の人は知っていた
私たちの祖父母の世代は、今よりも魚をたくさん食べていました。そして、欧米諸国と比べて、日本人は心臓病や脳卒中が少なかったんです。もちろん、すべてが魚のおかげとは言えませんが、魚を食べる習慣が私たちの健康を守ってきたのは間違いありません。
最近は食生活が欧米化して、肉を食べる機会が増え、魚を食べる機会が減っています。もう一度、昔ながらの魚食文化を見直す時期に来ているのかもしれませんね。
さばが血圧を下げる5つの仕組み
それでは、いよいよ本題です。さばに含まれるEPAとDHAが、どのようにして血圧を下げるのか、5つの仕組みをわかりやすく説明していきますね。
仕組み①:血管を広げる「魔法の物質」を増やす
私たちの血管の内側には、「血管内皮細胞」という細胞がびっしりと並んでいます。この細胞から分泌される「一酸化窒素(NO)」という物質が、血圧を下げる大きな鍵を握っているんです。
NOは血管の味方
NOは、血管をリラックスさせて広げる働きがあります。血管が広がると、血液が流れやすくなり、血圧が下がるというわけです。これは、狭い道路より広い道路の方が車がスムーズに流れるのと同じですね。
さばのEPA・DHAがNOを増やす
さばに含まれるEPAとDHAは、この血管内皮細胞に働きかけて、NOをたくさん作り出すように促す働きがあります。つまり、さばを食べることで、血管を広げる「魔法の物質」が増えて、血圧が自然と下がっていくというわけです。
研究によると、EPAやDHAを豊富に含む青魚を食べている人は、血管内皮細胞の機能が良好で、血圧も低い傾向にあることが分かっています。
仕組み②:血管のスイッチを直接オンにする
ここで少し専門的なお話になりますが、できるだけわかりやすく説明しますね。
BKチャネルという小さな穴
血管の筋肉(血管平滑筋)には、「BKチャネル」という小さな穴のようなものがあります。このBKチャネルが開くと、カリウムイオンという物質が細胞の外に出ていき、血管の筋肉がリラックスして血管が広がります。
DHAが直接スイッチを押す
アメリカで行われた画期的な研究によると、DHAはこのBKチャネルを直接活性化して開く働きがあることが明らかになりました。しかも、DHAの効果はとても強力で、ごくわずかな量でも効果を発揮するんです!
この研究では、マウスにDHAを与えたところ、血圧が大きく下がることが確認されました。これは、DHAが確実にBKチャネルを通じて血圧を下げていることの証明です。つまり、さばを食べることで体内に取り込まれたDHAが、血管のスイッチを直接押して、血圧を下げてくれるということなんですね。
仕組み③:血液をサラサラにして流れを良くする
「血液サラサラ」という言葉、よく耳にしますよね。さばは、まさに血液をサラサラにする代表的な食材なんです。
血小板の働きを調整
血液の中には「血小板」という、怪我をしたときに血を固める役割を持つ細胞があります。でも、この血小板が必要以上に集まって固まると、血液がドロドロになり、血管の中を流れにくくなってしまいます。
EPAとDHAは、この血小板が固まり過ぎないように調整する働きがあります。血液がサラサラになると、血管の中をスムーズに流れるようになり、心臓も無理に血液を押し出す必要がなくなります。その結果、血圧も自然と下がるというわけです。
血液の粘度も下げる
さらに、EPAとDHAは血液そのものの粘度(ネバネバ度)を下げる効果もあります。粘度が下がれば、血液はよりスムーズに流れ、血管への負担も軽くなります。
「健康診断で血液がドロドロと言われた」という方には、特にさばがおすすめです。
仕組み④:血管の炎症を抑えて健康に保つ
高血圧の人の多くは、血管に「炎症」が起きています。炎症とは、体の中で起こる「火事」のようなもの。血管に炎症が起こると、血管の壁が厚くなったり、硬くなったりして、血液が通りにくくなります。
EPAの強力な抗炎症作用
特にEPAには、強力な抗炎症作用があることが多くの研究で明らかになっています。EPAは、炎症を引き起こす物質の産生を抑え、逆に炎症を鎮める物質を増やす働きがあります。
血管の炎症が収まると、血管は本来の柔らかさを取り戻し、血液がスムーズに流れるようになります。その結果、血圧も自然と下がっていくのです。
酸化ストレスも軽減
また、DHAには酸化ストレスを軽減する効果もあります。酸化ストレスとは、体が「サビる」ようなもので、血管を傷つける原因になります。DHAがこの酸化ストレスを軽減することで、血管の健康が保たれ、血圧の上昇も防がれるのです。
仕組み⑤:血管を若々しく柔らかく保つ
年齢を重ねると、血管は少しずつ硬くなっていきます。これを「動脈硬化」と言います。硬くなった血管は、血液を送り出すときにうまく広がらないため、血圧が上がりやすくなります。
細胞膜に取り込まれるDHA
DHAは、血管の細胞膜に取り込まれ、細胞膜を柔らかく保つ働きがあります。細胞膜が柔らかいと、血管全体も柔軟性を保ち、血液の流れに合わせてうまく広がったり縮んだりできるのです。
これは、硬いゴムホースより柔らかいゴムホースの方が、水の流れに合わせて形が変わりやすいのと同じですね。
「血管年齢」という言葉を聞いたことがありますか?さばを食べ続けることで、実際の年齢よりも若い血管を保つことができる可能性があるんです。
科学的に証明された効果:世界中の研究が教えてくれること
「本当に効果があるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です。さばの血圧降下効果は、世界中の多くの研究者が科学的に証明しているんですよ。
アメリカ心臓学会の大規模研究
2022年に発表されたアメリカ心臓学会の研究では、71件の臨床試験(約5,000人が参加)を分析しました。その結果、次のことが明らかになりました:
- EPAとDHAを1日2〜3g摂取すると、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)が平均して2mmHg低下
- 1日3g以上摂取すると、高血圧の人では収縮期血圧が平均4.5mmHg低下
- 高血圧のない人でも平均約2mmHg低下
「たった2〜4mmHgか」と思われるかもしれませんが、実は人口レベルでは、収縮期血圧が2mmHg下がるだけで、脳卒中による死亡率が10%、心臓病による死亡率が7%減少すると推定されています。
小さな数値の変化が、大きな健康効果につながるんですね。
日本の研究も証明
日本人を対象にした調査でも、魚を多く食べる人は心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが低下することが明らかになっています。日本人は伝統的に魚をよく食べてきたため、欧米諸国と比べて心血管疾患が少ないとも言われています。
私たちの体質に合った、昔ながらの食習慣が、実は最も効果的な健康法だったというわけです。
どれくらいさばを食べればいいの?実践しやすい目安
それでは、実際にどれくらいさばを食べれば効果が期待できるのでしょうか。無理なく続けられる量をご紹介しますね。
1日の目安量
研究によると、EPA・DHAを合わせて1日2〜3g摂取すると効果的とされています。これを魚で換算すると:
- さば(焼き魚):約100〜140g(1切れ程度)
- さば缶(水煮):1缶(約190g)で約5.5gのオメガ3脂肪酸
つまり、さばの切り身を1切れ食べるか、さば缶を半分食べるだけで、十分な量のEPA・DHAを摂取できるということです!これなら、無理なく続けられそうじゃないですか?
週に2〜3回でも十分効果的
アメリカ心臓学会は、週に2回、85〜113gの魚(特にさばなどの脂肪の多い魚)を食べることを推奨しています。毎日食べなくても、週に2〜3回さば料理を取り入れるだけで、十分な効果が期待できるのです。
「毎日は大変」という方も、これなら続けられそうですよね。月曜日と木曜日は「さばの日」と決めてしまうのも良いかもしれません。
さばを美味しく食べる方法:簡単レシピ3選
さばは、いろいろな調理法で美味しく食べられます。血圧を下げる効果を最大限に活かすための、おすすめの食べ方と簡単レシピをご紹介しますね。
レシピ①:さばの塩焼き(最もシンプル)
材料(2人分):
- さばの切り身:2切れ
- 塩:少々
- 大根おろし:適量
- レモン:お好みで
作り方:
- さばに軽く塩を振り、10分ほど置く
- 出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取る
- グリルまたはフライパンで、中火で両面をじっくり焼く
- 大根おろしを添えて完成
シンプルに塩を振って焼くだけで、さばの旨みが引き立ちます。EPAやDHAは熱に比較的強いので、焼いても栄養価はほとんど失われません。忙しい平日の夕食にもぴったりです。
レシピ②:さばの味噌煮
材料(2人分):
- さばの切り身:2切れ
- 生姜:1かけ(薄切り)
- 水:200ml
- 酒:大さじ2
- 味噌:大さじ2
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
作り方:
- さばは熱湯をかけて臭みを取る
- 鍋に水、酒、生姜を入れて沸騰させる
- さばを入れ、落し蓋をして中火で10分煮る
- 味噌、みりん、砂糖を加えて、さらに5分煮る
- 煮汁をかけながら味を染み込ませて完成
日本の伝統的な料理。味噌にも血圧を下げる効果があるので、相乗効果が期待できます。冷めても美味しいので、お弁当にも最適です。
レシピ③:さば缶の炊き込みご飯
材料(3〜4人分):
- 米:2合
- さば缶(水煮):1缶
- 人参:1/3本(千切り)
- 舞茸:1パック
- 醤油:大さじ2
- 酒:大さじ1
- 生姜:1かけ(千切り)
作り方:
- 米は洗って30分浸水させ、ザルにあげる
- 炊飯器に米、さば缶(汁ごと)、調味料を入れる
- 水を2合の目盛りまで加える
- 人参、舞茸、生姜を乗せて、普通に炊く
- 炊き上がったらよく混ぜて完成
さば缶を使えば、より手軽に!缶詰の汁にもEPA・DHAが溶け出しているので、汁ごと使うのがポイントです。ご飯もおかずも一度に完成するので、忙しい日の強い味方です。
さば以外の血圧に良い青魚
さばが苦手な方や、もっとバリエーションを増やしたい方には、他の青魚もおすすめです。
イワシ
さばと同じくらいEPA・DHAが豊富。小さいので丸ごと食べられ、カルシウムも摂取できます。圧力鍋で煮れば骨まで柔らかく食べられます。
サンマ
秋の味覚の代表。EPA・DHAがたっぷりで、塩焼きが絶品です。旬の時期には、ぜひ食卓に取り入れたいですね。
アジ
クセが少なく食べやすい。刺身、フライ、塩焼きなど、調理法も豊富です。お子さんやご家族みんなで楽しめます。
サケ
世界中で愛される魚。EPA・DHAが豊富で、料理のバリエーションも豊富です。朝食の定番としても最適ですね。
さばだけじゃない!血圧を下げる総合的な日常習慣
さばを食べることは素晴らしい習慣ですが、それだけでは不十分です。血圧を健康的に保つためには、総合的な日常習慣の見直しが必要です。ここでは、今日から実践できる生活習慣のコツをご紹介します。
食事の工夫:塩分を控えめに
高血圧の最大の敵は「塩分の摂りすぎ」です。日本人の平均塩分摂取量は1日約10gですが、理想は6g未満。半分近く減らす必要があるんです。
実践しやすい減塩のコツ:
- 醤油やソースは「かける」より「つける」
- だしの旨味を活かして、薄味でも満足できる料理を
- レモンや酢、香味野菜で味にアクセントをつける
- 外食は塩分が多いので、週に2〜3回程度に
- 加工食品(ハムやソーセージなど)は控えめに
さばを調理するときも、塩分控えめの味付けを心がけましょう。
適度な運動を習慣に
運動は血圧を下げる効果が科学的に証明されています。でも、激しい運動は必要ありません。大切なのは「継続できる軽い運動」です。
40代から始めやすい運動:
- ウォーキング:1日30分、週5日が理想。まずは15分から始めてもOK
- ラジオ体操:朝の習慣にすれば、体がすっきり目覚めます
- 階段の上り下り:エレベーターを使わず、階段を使うだけでも効果的
- 家事も立派な運動:掃除や洗濯、庭仕事も体を動かす良い機会
「運動しなきゃ」と気負わず、「少し多めに歩こうかな」くらいの気持ちで始めてみてください。通勤時に一駅手前で降りて歩く、休日に家族と散歩する、そんな小さなことから始めましょう。
質の良い睡眠を確保する
睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、血圧を上昇させる原因になります。40代、50代は仕事も忙しく、夜遅くまで働いている方も多いと思いますが、できるだけ質の良い睡眠を確保しましょう。
良い睡眠のためのコツ:
- 就寝時間と起床時間をできるだけ一定に
- 寝る1時間前にはスマホやパソコンを見ない
- 寝室は暗く、静かで、少し涼しいくらいが理想
- 寝る前の軽いストレッチで体をリラックス
- 就寝前のカフェインやアルコールは避ける
理想の睡眠時間は7〜8時間。難しい場合でも、最低6時間は確保したいところです。質の良い睡眠は、血圧だけでなく、疲労回復や免疫力向上にもつながります。
ストレス対策を忘れずに
40代、50代は、仕事でも家庭でもストレスの多い時期です。でも、慢性的なストレスは血圧を上げる大きな要因になります。
日常でできるストレス対策:
- 深呼吸:1日に何度か、ゆっくり深呼吸する時間を作る
- 趣味の時間:好きなことをする時間を意識的に確保する
- 人との会話:家族や友人と話すだけでもストレス解消に
- 自然に触れる:公園を散歩するだけでも心が落ち着きます
- 完璧を求めすぎない:「まあいいか」と思える心の余裕も大切
特に、仕事や家庭で責任が重くなるこの年代は、意識的にリラックスする時間を作ることが重要です。
お酒とタバコについて
お酒は適量なら血圧を下げる効果があるとも言われますが、飲み過ぎは逆効果です。1日の適量は、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合程度。休肝日も週に2日は設けましょう。
タバコは血管を収縮させ、血圧を上げる大きな原因です。禁煙は血圧対策の第一歩と言えます。ご自身の健康はもちろん、ご家族の健康のためにも、ぜひ禁煙を検討してみてください。
家族みんなで健康習慣を
40代、50代、60代は、自分だけでなく、家族の健康も気になる時期ですよね。配偶者の健康、親の健康、そして子どもたちの将来の健康…みんなが元気でいてほしいと願うのは、当然のことです。
さばは家族みんなの健康食
さばを使った料理なら、家族みんなで一緒に食べられます。「お父さん(お母さん)の血圧対策のための料理」ではなく、「家族みんなが健康になれるおいしい料理」として、食卓に並べてみてください。
子どもたちにとっても、EPA・DHAは脳の発達に欠かせない栄養素です。記憶力や集中力の向上にも効果があると言われています。親世代の健康習慣が、子どもたちの将来の健康習慣にもつながっていくんです。
一緒に食べる、一緒に運動する
健康習慣は、一人で頑張るより、家族と一緒に取り組む方が続けやすいものです。週末に家族でウォーキングをする、一緒にさば料理を作る、そんな時間が家族の絆を深めるきっかけにもなります。
「今日の夕飯、また魚?」なんて言われないように、いろいろなレシピでバリエーションを楽しんでくださいね。
さばを食べるときの注意点
さばは素晴らしい健康食材ですが、いくつか注意点もあります。安全に、効果的にさばを楽しむために、以下の点に気をつけてください。
新鮮なものを選ぶ
さばは傷みやすい魚です。目が澄んでいて、身に張りがあるものを選びましょう。買ったらすぐに調理するか、冷凍保存してください。
食べ過ぎに注意
さばにはプリン体も含まれているため、痛風の方は食べ過ぎに注意が必要です。また、カロリーもそれなりにあるので、毎日大量に食べるのは避けましょう。
アレルギーに注意
さばは、アレルギーを起こしやすい魚の一つです。ヒスタミ中毒(さばアレルギー)になることもあるので、鮮度には特に気を付けてください。初めて食べるお子さんがいる場合は、少量から試してください。
薬との相互作用
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を飲んでいる方は、さばを大量に食べると出血しやすくなる可能性があります。主治医に相談してから食べる量を決めましょう。
バランスの良い食事を
さばだけを食べていれば良い、というわけではありません。野菜や果物、全粒穀物、豆類など、バランスの良い食事を心がけることが、健康への近道です。
さばの健康効果は血圧だけじゃない
血圧対策でさばを食べ始めても、実はそれ以外にも嬉しい効果がたくさんあるんですよ。
認知機能の維持
DHAは脳の重要な構成成分です。定期的に摂取することで、記憶力の維持や認知症の予防に役立つ可能性があります。「最近、物忘れが増えてきたかも…」という方には、特におすすめです。
心臓病の予防
EPA・DHAは、心筋梗塞などの心臓病のリスクを減らす効果も科学的に証明されています。血圧を下げることで、心臓への負担も軽くなります。
中性脂肪の低下
健康診断で中性脂肪が高いと言われた方にも、さばはおすすめです。EPAには中性脂肪を下げる効果があります。
目の健康維持
DHAは目の網膜の主要な構成成分でもあります。目の健康維持にも役立つんです。
うつ症状の軽減
最近の研究では、オメガ3脂肪酸がうつ症状の軽減に役立つ可能性も指摘されています。ストレスの多い現代社会で、心の健康も大切ですよね。
継続のコツ:無理なく習慣化するために
「健康に良いのはわかったけど、毎日続けられるかな…」そんな不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫。継続するための小さなコツをお伝えします。
まずは週2回から始める
いきなり毎日やろうとすると、挫折しやすくなります。まずは週に2回、さばを使った料理を作ることから始めてみましょう。慣れてきたら、少しずつ頻度を増やしていけばいいんです。
さば缶を常備する
忙しい平日は、料理をする時間がないこともありますよね。そんなときのために、さば缶を常備しておくと便利です。そのままでも食べられますし、サラダに乗せたり、パスタに和えたりと、アレンジも簡単です。
買い物リストに入れる
週に1回の買い物のとき、必ず「さば」または「さば缶」を買い物リストに入れましょう。冷凍のさばも上手に活用してください。
記録をつけてみる
血圧計を持っている方は、毎日の血圧を記録してみることをおすすめします。朝と夜、決まった時間に測定して、記録していきましょう。
数値が少しずつ改善していくのを見ると、「さばを食べ続けて良かった!」という実感が湧いてきます。その実感が、さらに継続する意欲につながるんです。
もし血圧計を持っていなくても、「今日もさばを食べた」というチェックを手帳やカレンダーにつけるだけでも、継続の励みになります。
完璧を目指さない
「今週は忙しくて1回しか食べられなかった…」そんなこともあるでしょう。でも、それで自分を責めないでください。大切なのは、長く続けることです。できなかった週があっても、「また来週から頑張ろう」と気楽に考えましょう。
まとめ:小さな一歩が、大きな変化を生む
ここまで、さばと血圧の関係について、詳しくお話ししてきました。長い文章を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
もう一度、大切なポイントをまとめておきますね。
さばが血圧を下げる5つの理由:
- 血管内皮細胞からNO(一酸化窒素)の分泌を促進し、血管を広げる
- 血管のBKチャネルを直接活性化して、血管を広げる
- 血液をサラサラにして、流れを良くする
- 血管の炎症を抑え、血管を健康に保つ
- 血管の柔軟性を保ち、動脈硬化を予防する
効果的な食べ方:
- 週に2〜3回、1回100〜140g程度を目安に
- 焼き魚、味噌煮、さば缶など、いろいろな調理法で楽しむ
- 塩分控えめの味付けで
総合的な日常習慣も大切:
- 食事は塩分控えめ、バランス良く
- 軽い運動を習慣に(ウォーキングなど)
- 質の良い睡眠を7〜8時間
- ストレス対策も忘れずに
- お酒は適量、禁煙が理想
40代、50代、60代と年齢を重ねても、元気に過ごしたい。家族と楽しい時間を過ごしたい。好きなことを続けたい。そう願う気持ちは、誰もが同じですよね。
健康は、毎日の小さな習慣の積み重ねから生まれます。「血圧が気になるから、何か対策をしなきゃ」と思ったとき、まず思い浮かべるのは薬かもしれません。でも、その前に、毎日の食事から見直してみませんか?
スーパーで手軽に買えるさば。この身近な食材が、あなたの血圧を優しくサポートしてくれます。難しいことは何もありません。今日のスーパーでの買い物リストに、「さば」を加えるだけ。それが、あなたの健康な未来への第一歩になります。
塩焼きにしても良し、味噌煮にしても良し、さば缶を活用しても良し。あなたの好きな食べ方で、おいしく健康習慣を続けていきましょう。
血圧計の数値が少しずつ改善していくのを見るのは、きっと嬉しいものですよ。そして何より、「自分の体を自分でケアしている」という実感が、心の健康にもつながります。自分を大切にすることは、家族を大切にすることでもあるんです。
年齢を重ねることは、決して怖いことではありません。経験を積み、知恵を蓄え、人生をより深く味わえるようになる、素晴らしいことです。でも、そのためには健康な体があってこそ。
今日という日は、人生で一番若い日です。「まだ大丈夫」と思っているうちに、できることから始めましょう。さばを食べること、少し多めに歩くこと、早めに寝ること…どれも特別なことではありません。でも、そうした小さな習慣の積み重ねが、5年後、10年後のあなたの健康を支えてくれるんです。
健康診断で「血圧が改善しましたね」と言われる日を目指して。家族に「元気だね」と笑顔で言われる毎日を目指して。趣味や旅行を存分に楽しめる体を保つために。
今日から、さばのある食卓を始めてみませんか?
あなたとご家族の健康な未来を、心から応援しています。
参考文献
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- 日本医療・健康情報研究所「魚が高血圧リスクを減少 EPA・DHAの効果『魚を1日100g以上食べよう』」2022年6月17日
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- Bercea CI, et al. Omega-3 polyunsaturated fatty acids and hypertension: A review of vasodilatory mechanisms of docosahexaenoic acid and eicosapentaenoic acid. British Journal of Pharmacology. 2021;178(4):860-877.


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