「最近、血圧が高めですね」
健康診断でそう言われて、ドキッとしたことはありませんか?高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行するため、「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」という恐ろしい別名で呼ばれています。放っておくと、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まってしまうんです。
でも、ご安心ください。実は、私たちの食卓でおなじみの「イワシ」が、血圧を下げる強い味方になってくれることをご存じでしょうか?
「えっ、あの普通の魚が?」と思われるかもしれません。でも本当なんです!イワシには、科学的に証明された血圧を下げる成分がたっぷり含まれているんですよ。
この記事では、なぜイワシを食べると血圧が下がるのか、そのメカニズムをできるだけわかりやすく、親しみやすく解説していきます。難しい専門用語も出てきますが、身近な例えを使ってやさしく説明しますので、安心してくださいね。
血圧が気になる方はもちろん、健康に興味がある全ての方に読んでいただきたい内容です。それでは、イワシの不思議なパワーの世界へ、一緒に出発しましょう!
イワシってどんな魚?まずは基本を知ろう
本題に入る前に、まずはイワシについて簡単にご紹介しますね。
イワシは日本人にとって、古くから親しまれてきた大衆魚です。「マイワシ」「ウルメイワシ」「カタクチイワシ」の3種類が主に食べられていて、スーパーでも手頃な価格で手に入る身近な存在ですよね。
昔から「イワシ七度洗えば鯛の味」なんて言葉があるように、新鮮なイワシは本当に美味しい魚なんです。刺身、塩焼き、煮付け、フライ、そして最近人気のイワシ缶詰まで、様々な食べ方で楽しめるのも魅力の一つです。
値段も手頃で、栄養価も抜群。まさに「海の恵み」と呼ぶにふさわしい魚なんですね。
イワシが血圧を下げる3つの秘密
さて、ここからが本題です。イワシが血圧を下げるのには、実は3つの大きな理由があります。それぞれ詳しく見ていきましょう!
【秘密その1】EPA・DHAという魔法の油のパワー
イワシの最大の特徴は、「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という健康に良い脂肪酸がたっぷり含まれていることです。
「脂肪って体に悪いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、EPAとDHAは別格なんです。これらは「オメガ3脂肪酸」と呼ばれる仲間で、私たちの体にとって欠かせない、とても大切な栄養素なんですよ。
血管を広げる魔法のような働き
EPAとDHAの一番すごいところは、血管を広げる働きがあることです。
どういうことか、わかりやすく説明しますね。血管の内側には「血管内皮細胞」という細胞があります。EPAとDHAは、この細胞に働きかけて「一酸化窒素(NO)」という物質をたくさん作り出すんです。
この一酸化窒素が血管の壁の筋肉をリラックスさせて、血管を広げてくれます。
水道のホースを想像してみてください。ホースが狭いと、水を流すときに水圧が高くなりますよね?でも、ホースが広がると、同じ量の水が流れても圧力は下がります。血管も全く同じなんです。血管が広がれば、血液が流れやすくなって、血圧が下がるというわけです。
血液をサラサラにする効果
さらに、EPAには血液をサラサラにする素晴らしい働きもあります。
血液の中には「血小板」という成分があって、これが固まることで血を止める働きをします。でも、固まりすぎると「血栓」という血の塊ができて、血管を詰まらせてしまうことがあるんです。
EPAは、この血小板が固まりすぎないようにコントロールしてくれます。血液がサラサラになれば、血管の中をスムーズに流れるようになり、血圧も上がりにくくなるんですね。
炎症を抑えて血管を守る
実は、高血圧の人の体の中では、慢性的な炎症が起きていることが多いんです。この炎症が続くと、血管が硬くなって「動脈硬化」が進んでしまいます。
動脈硬化とは、血管が柔軟性を失って硬くなってしまう状態のこと。硬くなった血管は、血液の流れに合わせて伸び縮みできなくなり、血圧が上がりやすくなってしまうんです。
ここでもEPAとDHAが活躍します!これらには「抗炎症作用」があって、体の中で炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」という物質の働きを抑えてくれるんです。炎症が抑えられれば、血管は柔らかく、しなやかな状態を保つことができます。
実際にどれくらい効果があるの?
「理屈はわかったけど、実際に効果はあるの?」と思われますよね。
アメリカ心臓学会の研究によると、EPAとDHAを1日2〜3g摂取すると、血圧が平均で上の血圧(収縮期血圧)が約3〜4mmHg下がることがわかっています。1日3g以上摂取すると、高血圧の人では最高血圧が平均4.5mmHgも低下したという結果も出ているんです。
「たった数mmHgか…」と思うかもしれません。でも、実は血圧が2〜3mmHg下がるだけでも、心臓病や脳卒中のリスクが大きく減ることが医学的に証明されています。毎日の積み重ねが、将来の大きな健康につながるんですね。
【秘密その2】イワシペプチドの驚きのパワー
イワシの秘密は、油だけではありません。実は、イワシのたんぱく質にも、血圧を下げるすごい力が隠されているんです!
イワシペプチドって何?
イワシのたんぱく質が私たちの体の中で消化されると、「イワシペプチド」という成分ができます。その中でも特に注目されているのが「バリルチロシン」という物質です。
ペプチドというのは、たんぱく質とアミノ酸の中間くらいの大きさの成分のこと。アミノ酸が2個から数十個つながった状態を「ペプチド」と呼びます。
血圧が上がる仕組みをブロックする
ここからが重要なポイントです。私たちの体には、血圧を上げる仕組みがあります。それが「レニン-アンジオテンシン系」と呼ばれるシステムです。
少し専門的になりますが、できるだけわかりやすく説明しますね。
体の中に「アンジオテンシンⅠ」という物質があります。これが「ACE酵素」という酵素の働きで「アンジオテンシンⅡ」に変わります。このアンジオテンシンⅡが血管をギュッと収縮させて、血圧を上げてしまうんです。
ここでイワシペプチド(バリルチロシン)が登場します!
バリルチロシンは、このACE酵素の働きをブロックして、アンジオテンシンⅡができるのを防いでくれるんです。つまり、血圧が上がる仕組みそのものを抑えてくれるというわけです。
実は、この仕組みは血圧を下げる薬(ACE阻害薬)と全く同じなんです。薬ほど強力ではありませんが、自然な食品でこんな働きが得られるなんて、本当にすごいと思いませんか?
研究でしっかり証明されています
実際に行われた臨床研究では、軽度の高血圧の人や血圧が高めの人にイワシペプチドを4週間摂取してもらったところ、血圧が下がったという結果が出ています。しかも、副作用の心配もほとんどありません。
イワシペプチドを配合したサプリメントは、厚生労働省から「血圧が高めの方に適した」特定保健用食品(トクホ)として認定されているものもあるんですよ。国がお墨付きを与えているということですね。
ペプチドの吸収されやすさ
ペプチドは、アミノ酸よりも体に吸収されやすく、しかも血液中を長く巡るので、効果が持続しやすいという特徴があります。
だから、普通にイワシを食べるだけでなく、ペプチドの形でサプリメントとして摂取するのも効果的な方法なんですね。
【秘密その3】カルシウムとその仲間たちの総合力
イワシは「骨まで食べられる魚」としても有名ですよね。煮付けや缶詰なら、骨ごと全部食べられます。実はこれも、血圧を下げるのに大きく貢献しているんです。
カルシウムの意外な働き
カルシウムといえば「骨を強くする」というイメージが強いですよね。でも実は、血圧のコントロールにも深く関わっているんです。
カルシウムは、血管の収縮を抑えて、血管を広げる作用があります。また、腎臓でナトリウム(塩分)が再吸収されるのを防いで、塩分を体の外に出す働きも助けてくれます。
体の中の塩分が減れば、血液の量も減って、血圧が下がるというわけです。高血圧の大きな原因の一つが「塩分の摂りすぎ」ですから、これは本当に嬉しい働きですよね。
ビタミンDとの最強タッグ
さらに素晴らしいことに、イワシにはビタミンDも豊富に含まれています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける大切な栄養素です。つまり、イワシを食べれば、カルシウムとビタミンDを同時に摂取できて、効率よく体に取り込めるんですね。まさに理想的な組み合わせです!
イワシ100gで、1日に必要なカルシウムの約3分の1、ビタミンDなら1日分以上を摂取できます。乳製品にアレルギーがある人にとっても、イワシは貴重なカルシウム源になりますよ。
タウリンで肝臓も元気に
イワシには「タウリン」という栄養素も含まれています。
タウリンは肝臓の働きを良くして、体全体の代謝を高めてくれる成分です。肝臓が元気だと、体の中の余分な脂質や老廃物の処理がスムーズになり、結果的に血圧のコントロールにも良い影響を与えます。
また、イワシには鉄分も豊富に含まれているので、貧血予防にも役立ちます。貧血があると心臓に負担がかかりやすいので、これも間接的に血圧管理につながるんです。
どれくらい食べればいいの?具体的な目安
ここまで読んで、「じゃあ、実際にどれくらいイワシを食べればいいの?」と思われた方も多いでしょう。
研究によると、EPAとDHAを1日2〜3g摂取すると効果的とされています。これをイワシに換算すると、だいたいこんな感じです:
- イワシ1尾(100g程度)
- サンマ1尾(100〜120g)
- サバ1.5切れ(150g)
- イワシの缶詰1缶
週に2〜3回、これくらいの量を食べることを目安にするといいでしょう。
「毎日は難しい…」という方も、週に2回くらいなら続けられそうですよね?最近は、イワシの缶詰も種類が豊富で、水煮、味噌煮、蒲焼きなど、いろんな味が楽しめます。料理が面倒な時は、缶詰を開けてそのまま食べるだけでもOKです!
イワシを美味しく食べるコツとレシピ
せっかくなら、イワシを美味しく楽しく食べたいですよね。ここでは、イワシを美味しく食べるためのコツをご紹介します。
新鮮なイワシの見分け方
イワシは鮮度が命です。「鰯の生き腐れ」なんて言葉があるくらい、傷みやすい魚なので、新鮮なものを選びましょう。
新鮮なイワシの見分け方:
- 目が澄んでいて、きれいなこと
- 体の表面がキラキラと光っていること
- お腹がしっかりしていて、柔らかくないこと
- 鰓(えら)が鮮やかな赤色をしていること
おすすめの調理法
EPAとDHAは熱に比較的強いので、焼いても煮ても大丈夫です。ただし、酸化しやすいので、新鮮なうちに調理するのがポイントです。
塩焼き シンプルで美味しい!大根おろしを添えて食べると、さっぱりしていくらでも食べられます。
煮付け 生姜と一緒に煮ると、イワシ特有の臭みが消えて、とても美味しくなります。煮汁まで飲めば、栄養も余すことなく摂取できますよ。
フライ 子どもも喜ぶメニューです。カリッと揚げれば、骨まで食べられます。
缶詰 最も手軽な方法です。骨まで柔らかく食べられて、カルシウムもたっぷり。保存もきくので、常備しておくと便利です。
なめろう 新鮮なイワシが手に入ったら、ぜひ試してほしい一品。味噌、ネギ、生姜と一緒に包丁で叩いて作ります。ご飯のお供に最高です!
注意点もしっかり押さえよう
イワシは素晴らしい食材ですが、いくつか注意点もあります。正しく理解して、安全に楽しみましょう。
食べ過ぎには注意
イワシは健康に良いからといって、食べ過ぎは禁物です。カロリーもそれなりにありますし、プリン体も含まれているので、痛風の方や尿酸値が高い方は注意が必要です。
何事もバランスが大切。週に2〜3回、適量を食べるのがベストです。
鮮度には気をつけて
イワシは本当に傷みやすい魚です。古くなったイワシは、EPAやDHAが酸化して、逆に体に良くない成分に変わってしまうこともあります。
必ず新鮮なものを選び、購入したらできるだけ早く食べるか、すぐに冷凍保存しましょう。
サプリメントについて
イワシペプチドやEPA・DHAのサプリメントもたくさん販売されています。これらも選択肢の一つですが、基本的には食品から摂取するのがおすすめです。
食品には、まだ科学的に発見されていない有益な成分が含まれている可能性もありますからね。
もしサプリメントを利用する場合は、信頼できるメーカーのものを選び、用法用量を守りましょう。また、血圧の薬を飲んでいる方は、必ず医師に相談してから始めることをおすすめします。
血圧管理はイワシだけじゃない!総合的なアプローチが大切
ここまでイワシの素晴らしさをたっぷりお伝えしてきましたが、もちろん血圧管理はイワシだけで完璧になるわけではありません。
高血圧を予防・改善するには、食事だけでなく、日常習慣全体を見直すことが本当に大切なんです。
食事での工夫
イワシを食べることに加えて、以下のような食事の工夫も心がけましょう:
減塩を心がける 1日の塩分摂取量は6g未満を目標にしましょう。醤油やソースをかけすぎない、加工食品を控えるなど、小さな工夫の積み重ねが大切です。
野菜や果物もたっぷり カリウムが豊富な野菜や果物は、体内の余分な塩分を排出する手助けをしてくれます。バナナ、ほうれん草、アボカドなどがおすすめです。
バランスの良い食事 イワシだけに偏らず、いろんな食材をバランスよく食べることが重要です。和食を中心にした食事が、血圧管理には理想的ですよ。
運動の習慣
適度な運動は、血圧を下げる効果があります。
週3回、30分程度のウォーキングなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。激しい運動は必要ありません。散歩や軽いジョギング、水泳など、自分が楽しめる運動を見つけることが続けるコツです。
運動すると、血管が柔らかくなり、血液の流れも良くなります。また、ストレス解消にもなるので、一石二鳥ですね。
睡眠をしっかり
質の良い睡眠は、血圧管理にとても重要です。
睡眠不足が続くと、血圧が上がりやすくなることがわかっています。毎日7〜8時間の睡眠を心がけ、規則正しい生活リズムを作りましょう。
寝る前のスマホやパソコンは控えめに。リラックスできる環境を整えて、ぐっすり眠ることが大切です。
ストレス対策
現代社会では、ストレスを完全になくすことは難しいですよね。でも、ストレスは血圧を上げる大きな要因の一つです。
自分なりのストレス対策を見つけましょう:
- 趣味の時間を大切にする
- 深呼吸や瞑想を取り入れる
- 好きな音楽を聴く
- 友人や家族と楽しい時間を過ごす
- 適度な運動でストレスを発散する
小さなことでも、自分がリラックスできる時間を毎日持つことが大切です。
禁煙と節酒
タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。喫煙している方は、ぜひ禁煙にチャレンジしてください。
お酒は適量なら問題ありませんが、飲みすぎは血圧を上げます。男性なら日本酒1合、ビール中瓶1本程度、女性ならその半分が目安です。
定期的な健康チェック
血圧は家庭でも簡単に測れます。家庭用血圧計を使って、定期的に自分の血圧をチェックする習慣をつけましょう。
朝と夜、決まった時間に測ることで、自分の血圧の変化がよくわかります。記録をつけると、医師に相談する際にも役立ちますよ。
まとめ:イワシで始める健康な毎日
いかがでしたか?イワシが血圧を下げるメカニズム、わかっていただけたでしょうか。
改めてまとめると、イワシには:
- EPA・DHAによる血管拡張作用と抗炎症作用 – 血管を広げて柔らかく保つ
- イワシペプチド(バリルチロシン)による血圧上昇メカニズムの抑制 – 血圧が上がる仕組み自体をブロック
- カルシウムとビタミンDによる総合的なサポート – 塩分排出を助け、骨も強くする
という3つの素晴らしい働きがあり、これらが協力して血圧を下げてくれるのです。
しかも、イワシは美味しくて、値段も手頃で、いろんな調理法で楽しめる優秀な食材です。缶詰なら長期保存もできて、忙しい時でもサッと食べられます。本当に便利ですよね。
「血圧が気になる」という方は、ぜひ今日から、週に2〜3回イワシを食卓に取り入れてみてください。きっと、あなたの健康づくりの強い味方になってくれるはずです。
そして忘れないでください。イワシを食べることは、血圧管理の一部です。食事、運動、睡眠、ストレス対策など、日常習慣全体をバランスよく整えることで、より大きな効果が期待できます。
ただし、すでに高血圧で治療を受けている方は、食事だけで薬をやめたりせず、必ず医師と相談しながら進めてくださいね。食事療法は、薬物療法を補完する大切な要素ですが、両方をバランスよく続けることが重要です。
さあ、今日の夕食はイワシにしてみませんか?美味しく食べて、健康になる。これほど素晴らしいことはありませんよね!
あなたの健康な毎日を、イワシがきっとサポートしてくれますよ。
文字数:約7,100字
この記事が、あなたの健康づくりのお役に立てれば幸いです。イワシを食べて、元気で健康な毎日を過ごしましょう!
参考文献
- 糖尿病ネットワーク「魚が高血圧リスクを減少 EPA・DHAの効果 『魚を1日100g以上食べると効果』」
https://dm-net.co.jp/calendar/2022/036787.php - つつじクリニック「血圧を下げる食べ物とは?医師が理由についても解説」
https://tsutsuji-cl.com/lower-blood-pressure-foods/ - わかさの秘密「イワシペプチド(サーディンペプチド)」
https://himitsu.wakasa.jp/contents/sardine-peptide/ - 日本脂質栄養学会「オメガ3と糖尿病の予防」
https://jsln.umin.jp/committee/omega33.html - 大和薬品株式会社「『オメガ3系脂肪酸と血流改善と血圧制御』」
https://www.daiwa-pharm.com/doctor/8070/ - American Heart Association “About 3 grams a day of omega-3 fatty acids may lower blood pressure”
https://newsroom.heart.org/news/about-3-grams-a-day-of-omega-3-fatty-acids-may-lower-blood-pressure-more-research-needed - Journal of the American Heart Association “Omega‐3 Polyunsaturated Fatty Acids Intake and Blood Pressure: A Dose‐Response Meta‐Analysis of Randomized Controlled Trials”
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.121.025071 - ふるさと納税サイト[ふるなび]「イワシは栄養豊富な魚!種類・加工による栄養の違いや健康効果も解説」
https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202507-sardine/


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