サバはオメガ3脂肪酸で血圧下げる魔法の食べ物

栄養バランスの取れた食事

健康診断で「血圧が少し高めですね」と言われて、ドキッとした経験はありませんか?「薬を飲み始めるのはまだ早い」「できれば食事で改善したい」と思っている方に、ぜひ知っていただきたい情報があります。

それは、私たちの食卓にも馴染み深い「サバ」が、血圧を下げる強力な味方になってくれるということです。塩焼き、味噌煮、しめ鯖――日本人が昔から親しんできたこの青魚には、驚くべき健康効果が詰まっているのです。

「本当に魚を食べるだけで血圧が下がるの?」と疑問に思われるかもしれません。実は、世界中の研究機関で科学的に証明されている事実なのです。今回は、サバを食べると血圧が下がる理由について、そのメカニズムから具体的な食べ方まで、わかりやすく、親しみやすく解説していきます。

あなたの健康な毎日のために、サバの持つパワーを一緒に学んでいきましょう。


  1. サバってどんな魚?なぜ健康に良いの?
  2. 高血圧って何?なぜ注意が必要なの?
    1. 高血圧の怖さ「サイレントキラー」
  3. サバに含まれるEPAとDHAが血圧を下げる5つのメカニズム
    1. 1. 血管を柔らかく、しなやかにする
    2. 2. 血液をサラサラにする
    3. 3. 一酸化窒素(NO)を増やして血管を広げる
    4. 4. 中性脂肪とコレステロールを減らす
    5. 5. 炎症を抑えて血管を守る
  4. 科学的な証拠:世界の研究が証明するサバの効果
    1. 米国心臓学会の大規模研究
    2. たった数mmHgでも大きな意味がある
  5. どれくらいのサバを食べればいいの?
    1. 国際的な推奨量
  6. サバの効果を最大限に引き出す食べ方
    1. おすすめの調理法
      1. 1. 焼く
      2. 2. 煮る
      3. 3. 刺身・しめ鯖
      4. 4. 蒸す
    2. 避けたい調理法
      1. 長時間の加熱
      2. 揚げ物
    3. 一緒に食べると効果的な食材
      1. 野菜や果物
      2. 酢やレモン
  7. サバ以外の青魚も効果的
    1. EPA・DHAが豊富な青魚
  8. サバを食べるときの注意点
    1. 新鮮なものを選ぶ
    2. 塩分に注意
    3. バランスの良い食事を
    4. アレルギーに注意
    5. サプリメントについて
  9. 高血圧を改善する日常習慣の見直し
    1. 食事の工夫
      1. 減塩を心がける
      2. カリウムを多く摂る
      3. DASH食を参考にする
    2. 運動の習慣
      1. 有酸素運動
      2. 日常生活での活動量を増やす
    3. 質の良い睡眠
    4. ストレス対策
      1. リラックスできる時間を持つ
      2. 深呼吸や瞑想
      3. 人とのつながりを大切に
    5. 禁煙
    6. 節酒
    7. 定期的な血圧測定
  10. まとめ:サバは血圧管理の強い味方
  11. 参考文献

サバってどんな魚?なぜ健康に良いの?

サバは日本の食卓に欠かせない青魚の代表格です。スーパーでも手軽に手に入り、年間を通して楽しむことができます。特に秋から冬にかけてのサバは脂が乗って、最高に美味しい時期です。

このサバが健康に良いとされる理由は、**EPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)**という、2つの特別な栄養素にあります。この2つは「オメガ3脂肪酸」と呼ばれる体に良い脂質で、私たちの体では作ることができない必須脂肪酸です。

サバ100gあたりには、EPAとDHAを合わせて約3,000mg以上も含まれています。これは青魚の中でもトップクラスの含有量で、効率よくこれらの健康成分を摂取できる優れた食材なのです。

昔から「青魚は体に良い」と言われてきましたが、その言い伝えには、しっかりとした科学的な裏付けがあったのですね。


高血圧って何?なぜ注意が必要なの?

サバの効果を理解する前に、まず高血圧について簡単に説明しましょう。

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに、血管の壁にかかる圧力のことです。心臓がギュッと収縮するときの圧力を「収縮期血圧(上の血圧)」、心臓が広がるときの圧力を「拡張期血圧(下の血圧)」と呼びます。

日本の診断基準では、病院での測定で上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上、または家庭での測定で上が135mmHg以上、下が85mmHg以上が高血圧とされています。

高血圧の怖さ「サイレントキラー」

高血圧は「サイレントキラー(静かな殺人者)」という恐ろしい別名を持っています。なぜなら、ほとんど自覚症状がないまま静かに進行し、ある日突然、重大な病気を引き起こすリスクがあるからです。

血圧が高い状態が続くと、血管に常に強い圧力がかかり続けることになります。その結果、血管壁が傷つき、硬くなる「動脈硬化」が進行します。動脈硬化が進むと、次のような深刻な病気のリスクが高まります。

  • 心筋梗塞:心臓の血管が詰まる
  • 脳卒中:脳の血管が詰まる、または破れる
  • 腎臓病:腎臓の機能が低下する
  • 眼底出血:視力に影響が出る

だからこそ、日頃から血圧をコントロールすることが、健康で長生きするための大切なポイントなのです。


サバに含まれるEPAとDHAが血圧を下げる5つのメカニズム

それでは、サバに豊富に含まれるEPAとDHAが、どのようにして血圧を下げてくれるのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

1. 血管を柔らかく、しなやかにする

血圧が高くなる大きな原因の一つは、血管が硬くなることです。

例えば、新しいゴムホースと古くなったゴムホースを思い浮かべてください。新しいホースは柔軟で水がスムーズに流れますが、古くて硬くなったホースでは、同じ量の水を流すにも、より強い圧力が必要になりますよね。血管も同じです。

年齢を重ねると、血管は徐々に弾力を失い、硬くなっていきます。硬い血管では血液がスムーズに流れにくくなるため、心臓はより強い力で血液を送り出さなければなりません。その結果、血圧が上昇してしまうのです。

EPAとDHAは、血管の細胞膜に取り込まれることで、血管を柔らかく、しなやかに保つ働きがあります。柔軟性のある血管では、血液がスムーズに流れるため、血圧も自然と下がりやすくなるのです。

2. 血液をサラサラにする

「血液ドロドロ」「血液サラサラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。血液がドロドロの状態では、血管の中を流れにくくなります。すると心臓は、より強い力で血液を押し出そうとするため、血圧が上がってしまうのです。

EPAには、血液をサラサラにする優れた効果があります。具体的には、血液中の血小板が固まりにくくなり、血栓(血の塊)ができるのを防ぎます。

血栓は、心筋梗塞や脳梗塞の直接的な原因となる危険なものです。EPAを摂取することで血液がサラサラになり、血流がスムーズになって、血圧の上昇を抑えることができるのです。

3. 一酸化窒素(NO)を増やして血管を広げる

最近の研究で特に注目されているのが、EPAが「一酸化窒素(NO)」という物質の生成を促進する効果です。

一酸化窒素は、「血管の救世主」とも呼ばれる重要な物質です。血管の内側の細胞から分泌されるこのガス状の物質は、血管の平滑筋を緩ませ、血管を拡張させる働きがあります。

血管が広がれば、より多くの血液が余裕を持って流れることができます。道路に例えるなら、片側1車線の狭い道路よりも、片側3車線の広い道路の方が、同じ台数の車がスムーズに流れますよね。血管も同じで、広い血管では血液がスムーズに流れるため、血圧は自然と下がるのです。

米国心臓学会の研究でも、EPAを摂取することで一酸化窒素の生成が促進され、血管が拡張しやすくなり、血圧の低下につながることが確認されています。

4. 中性脂肪とコレステロールを減らす

血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多いと、血管の壁に脂質が蓄積していきます。これがいわゆる「動脈硬化」の始まりです。

血管の壁に脂質が蓄積すると、血管の通り道が狭くなり、同時に血管も硬くなります。狭く硬くなった血管では、血液を流すのにより強い圧力が必要になるため、血圧が上昇してしまうのです。

EPAとDHAには、血液中の中性脂肪を減らし、悪玉コレステロールを減少させる効果があります。さらに嬉しいことに、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす働きもあります。

善玉コレステロールは、血管の壁に蓄積した脂質を回収して肝臓に運ぶ働きがあるため、「血管の掃除屋さん」とも呼ばれています。EPAとDHAによって血液の質が改善されることで、動脈硬化を予防し、血圧の上昇を抑えることができるのです。

5. 炎症を抑えて血管を守る

あまり知られていませんが、血管の炎症も高血圧の原因の一つです。血管の内側で炎症が起こると、血管壁が傷つき、動脈硬化が進行しやすくなります。

炎症は、体の「火事」のようなものです。血管内で小さな火事が続いていると、血管はダメージを受け続け、硬く、もろくなっていきます。

EPAには強力な抗炎症作用があり、血管内の炎症を抑制します。血管の炎症が抑えられることで、血管の健康が保たれ、血圧を正常に保つことができるのです。


科学的な証拠:世界の研究が証明するサバの効果

「本当にサバを食べるだけで血圧が下がるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。実は、世界中の研究機関で、EPAとDHAの血圧降下効果が科学的に証明されているのです。

米国心臓学会の大規模研究

米国心臓学会(AHA)が発表した大規模な研究では、1987年から2020年までに世界中で行われた71件の臨床試験を分析しました。この研究には、合計で4,973人もの参加者が含まれており、信頼性の高い結果が得られています。

その結果、次のような興味深い事実が明らかになりました。

  • EPAとDHAを1日2〜3g摂取した人は、摂取しなかった人に比べて、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)が平均して約2mmHg低下しました
  • オメガ3脂肪酸を毎日3g以上摂取すると、高血圧のある人では収縮期血圧が平均して4.5mmHg低下しました
  • 高血圧のない人でも、予防効果として平均して約2mmHg低下する効果が確認されました
  • 特に、血中脂質が高い人や45歳以上の人で効果が顕著でした

たった数mmHgでも大きな意味がある

「たった2〜4mmHgの低下なんて、大したことない」と思われるかもしれません。しかし、血圧が数mmHg下がるだけでも、心筋梗塞や脳卒中のリスクは大幅に減少することが分かっています。

研究によると、収縮期血圧が2mmHg下がるだけで、脳卒中のリスクが約6%、心筋梗塞のリスクが約4%減少するとされています。薬に頼らず、毎日の食事で無理なく継続できる方法として、サバなどの青魚を食べることは、非常に効果的な高血圧対策なのです。


どれくらいのサバを食べればいいの?

それでは、具体的にどれくらいのサバを食べれば、血圧を下げる効果を得られるのでしょうか。

研究によると、血圧を下げるために必要なEPA・DHAの摂取量は、1日あたり約2〜3g以上とされています。サバ100gには約3,000mg(3g)のEPA・DHAが含まれているため、サバを1日100〜140g程度食べることで、十分な効果を期待できることになります。

100gというと、だいたい切り身1枚分くらいです。毎日サバを食べるのは大変かもしれませんが、週に2〜3回、サバを含む青魚を食事に取り入れることで、継続的に効果を得られます。

国際的な推奨量

米国国立衛生研究所では、成人は1日に1.1〜1.6gのオメガ3脂肪酸を摂取することを推奨しています。また、米国心臓学会も、調理済みの魚を週に2サービング(85〜113g×2回)食べることを勧めています。

これらの推奨量を満たすために、サバは最適な食材の一つと言えるでしょう。


サバの効果を最大限に引き出す食べ方

サバの健康効果を最大限に活かすには、調理方法や食べ方にもちょっとした工夫が必要です。

おすすめの調理法

1. 焼く

シンプルに塩焼きにすることで、EPAやDHAを損なうことなく摂取できます。グリルやフライパンで手軽に調理できるのも魅力です。焼き過ぎに注意して、ふっくらと仕上げましょう。

2. 煮る

サバの味噌煮は日本の定番料理ですね。煮汁にもEPAやDHAが溶け出すため、煮汁も一緒にいただくと効果的です。生姜を加えると、魚の臭みも消えて美味しくいただけます。

3. 刺身・しめ鯖

生で食べることで、熱に弱い栄養素も損なわずに摂取できます。新鮮なサバが手に入ったときにおすすめです。しめ鯖は酢の効果で保存性も高まります。

4. 蒸す

蒸し料理は油を使わないため、余分なカロリーを抑えながら、栄養素をしっかり摂取できます。レモン蒸しや野菜と一緒に蒸すと、さっぱりとして美味しいです。

避けたい調理法

長時間の加熱

高温で長時間加熱すると、EPAやDHAが酸化してしまい、効果が減少する可能性があります。調理時間は短めにするのがコツです。

揚げ物

天ぷらや唐揚げなど、油で揚げる調理法は、カロリーが高くなり、かえって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。たまに楽しむ程度にしましょう。

一緒に食べると効果的な食材

野菜や果物

カリウムが豊富な野菜(ほうれん草、小松菜、トマトなど)や果物(バナナ、キウイ、りんごなど)を一緒に摂ることで、体内のナトリウム(塩分)を排出しやすくなり、血圧降下効果がさらに高まります。

酢やレモン

さっぱりとした味付けにすることで、塩分を控えめにでき、高血圧予防に効果的です。酢には血糖値の上昇を抑える効果もあり、一石二鳥です。


サバ以外の青魚も効果的

もちろん、サバだけでなく、他の青魚にもEPAとDHAは豊富に含まれています。さまざまな魚を組み合わせることで、飽きずに楽しみながら続けることができます。

EPA・DHAが豊富な青魚

  • イワシ:100gあたり約2,500〜3,000mgのEPA・DHA。缶詰も便利です。
  • サンマ:100gあたり約2,500mgのEPA・DHA。秋の味覚の代表格。
  • ブリ:100gあたり約3,000mgのEPA・DHA。照り焼きが美味しい。
  • サケ:100gあたり約1,500〜2,000mgのEPA・DHA。朝食の定番。
  • アジ:100gあたり約1,500〜2,000mgのEPA・DHA。刺身も焼き魚も美味。

これらの魚を週に2〜3回、日替わりで食べることで、無理なく続けられます。旬の魚を選ぶと、栄養価も高く、お財布にも優しいのでおすすめです。


サバを食べるときの注意点

新鮮なものを選ぶ

EPAやDHAは酸化しやすい性質があるため、できるだけ新鮮な魚を選びましょう。目が澄んでいて、身に張りがあり、エラが鮮やかな赤色をしているものが新鮮な証拠です。

塩分に注意

サバの塩焼きや味噌煮は美味しいですが、塩分の取り過ぎは逆に血圧を上げてしまいます。調理の際は、塩分を控えめにすることを心がけましょう。味噌は減塩味噌を使う、塩は少なめにするなどの工夫をしてください。

バランスの良い食事を

サバばかり食べていればいいというわけではありません。主食、主菜、副菜をバランスよく取り入れ、さまざまな栄養素を摂取することが大切です。食事全体のバランスを考えましょう。

アレルギーに注意

魚介類にアレルギーがある方は、医師に相談してから食事に取り入れましょう。また、サバは特にアレルギーを起こしやすい魚の一つですので、初めて食べるお子さんには少量から試すようにしてください。

サプリメントについて

「魚が苦手」「毎日食べるのは難しい」という方は、EPA・DHAのサプリメントを利用するのも一つの方法です。ただし、サプリメントの効果については、まだ十分なエビデンスが確立されていない面もあります。食品からの摂取を基本とし、サプリメントは補助的に利用するのが賢明です。


高血圧を改善する日常習慣の見直し

サバを食べることは血圧を下げる効果的な方法ですが、それだけで完璧というわけではありません。高血圧を予防・改善するためには、食事以外の日常習慣全体を見直すことが重要です。

食事の工夫

減塩を心がける

日本人の塩分摂取量は平均で1日約10gと言われていますが、高血圧予防のためには1日6g未満が推奨されています。醤油やソースを使い過ぎない、加工食品を控える、出汁をしっかりとって旨味で満足するなどの工夫をしましょう。

カリウムを多く摂る

カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあります。野菜、果物、海藻、豆類などに多く含まれています。

DASH食を参考にする

DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は、高血圧を改善するために開発された食事法です。野菜、果物、全粒穀物、低脂肪の乳製品を多く摂り、赤身肉や砂糖を控えるのが基本です。

運動の習慣

適度な運動は、血圧を下げる非常に効果的な方法です。

有酸素運動

ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動を、週に3〜5回、1回30分以上行うことが推奨されています。無理のない範囲で、楽しく続けられる運動を見つけましょう。

日常生活での活動量を増やす

エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩く、買い物は歩いて行くなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすことも効果的です。

質の良い睡眠

睡眠不足は血圧を上げる大きな要因です。質の良い睡眠は、血圧を正常に保つために欠かせません。

  • 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
  • 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える
  • 寝室を暗く、静かに、快適な温度に保つ
  • カフェインやアルコールの摂取を控える

成人は1日7〜9時間の睡眠が推奨されています。

ストレス対策

ストレスは血圧を上げる大きな要因です。現代社会でストレスを完全に避けることは難しいですが、上手に付き合う方法を見つけることが大切です。

リラックスできる時間を持つ

趣味の時間、好きな音楽を聴く、読書をする、お風呂にゆっくり浸かるなど、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。

深呼吸や瞑想

深呼吸や瞑想は、自律神経を整え、血圧を下げる効果があります。1日5〜10分でも効果があります。

人とのつながりを大切に

家族や友人との良好な関係は、ストレスを軽減し、心の健康を保つために重要です。

禁煙

タバコは血管を収縮させ、血圧を上げます。また、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを大幅に高めます。禁煙は、血圧を下げる最も効果的な方法の一つです。

節酒

アルコールの飲み過ぎも高血圧の原因になります。適量は、男性で1日平均2ドリンク(ビール中瓶1本、日本酒1合程度)、女性で1日平均1ドリンクまでとされています。休肝日を設けることも大切です。

定期的な血圧測定

家庭で血圧を測る習慣をつけましょう。朝起きたとき、夜寝る前の1日2回測定するのが理想的です。記録をつけることで、自分の血圧の変化を把握でき、生活習慣の改善効果も実感しやすくなります。


まとめ:サバは血圧管理の強い味方

サバを食べると血圧が下がる理由は、サバに豊富に含まれるEPAとDHAというオメガ3脂肪酸の働きによるものです。これらの成分は、次の5つのメカニズムで血圧を下げる効果を発揮します。

  1. 血管を柔らかく、しなやかにする
  2. 血液をサラサラにする
  3. 一酸化窒素の生成を促進して血管を広げる
  4. 中性脂肪やコレステロールを減らす
  5. 炎症を抑えて血管を守る

世界中の研究で、1日2〜3g以上のEPA・DHAを摂取することで、血圧が平均2〜4.5mmHg低下することが科学的に証明されています。サバ100g(切り身1枚程度)には約3,000mgのEPA・DHAが含まれているため、週に2〜3回サバを食事に取り入れるだけで、十分な効果を期待できるのです。

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こすリスクがあります。だからこそ、日頃から血圧をコントロールすることが大切なのです。

ただし、サバを食べるだけでなく、食事全体のバランス、適度な運動、質の良い睡眠、ストレス対策、禁煙、節酒など、日常習慣全体を見直すことが、高血圧の予防・改善には欠かせません。

手軽に手に入り、美味しく食べられるサバは、私たちの健康を守る強い味方です。今日から、あなたの食卓にサバを取り入れてみませんか?毎日の小さな積み重ねが、あなたの健康長寿につながっていくはずです。

「食べることは生きること」――美味しく、楽しく、健康的な食生活で、いきいきとした毎日を送りましょう。サバの持つパワーを味方につけて、血圧をコントロールし、心も体も健やかな人生を歩んでいきましょう。


参考文献

  1. 青魚で血圧ケア!DHAとEPAの驚くべき健康効果と食事法
    https://www.health.stylemap.co.jp/eatinghabits/%E9%9D%92%E9%AD%9A%E3%81%A7%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%82%B1%E3%82%A2%EF%BC%81dha%E3%81%A8epa%E3%81%AE%E9%A9%9A%E3%81%8F%E3%81%B9%E3%81%8D%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%A8%E9%A3%9F%E4%BA%8B/
  2. オメガ3が動脈硬化や血栓の形成を予防する理由とは?
    https://omega3.jp/column/20240118124406-58d93829-73ae-4e43-adf0-0cac49b0617c
  3. 魚が高血圧リスクを減少 EPA・DHAの効果 「魚を1日100g以上食べる」のが目安
    https://dm-net.co.jp/calendar/2022/036787.php
  4. 米国心臓学会:About 3 grams a day of omega-3 fatty acids may lower blood pressure
    https://newsroom.heart.org/news/about-3-grams-a-day-of-omega-3-fatty-acids-may-lower-blood-pressure-more-research-needed
  5. 米国心臓学会誌:Omega‐3 Polyunsaturated Fatty Acids Intake and Blood Pressure
    https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.121.025071

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